(イメージです。)
 
1: 仮面ウニダー ★ 2023/03/21(火) 07:13:02.38 ID:0th2Hs/d
 3月16日に開かれた日韓首脳会談で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の「半導体協力」への固執が際立った。韓国は今、米国、台湾、日本の半導体同盟から仲間外れになりかかっている。日本を騙してそこに潜り込むのが狙い、と韓国観察者の鈴置高史氏は読む。

韓日米台で供給網
(中略)

日本から武器を取り上げる
――なぜ、これほど「半導体協力」にこだわるのでしょうか?

鈴置:韓国では、半導体の製造装置や素材の供給を断たれるかもしれないとの不安が増しています。「半導体協力」の美名を掲げ、日本から武器を取り上げておく必要があったのです。

(中略)

中国工場が無用の長物に

――日本が半導体関連素材の対韓供給を断つ、なんてことがあるのでしょうか。

鈴置:韓国から見ると「十分にあり得る」のです。米国は今、対中半導体封鎖網を構築中です。日本とオランダは先端半導体の製造装置の対中輸出を止めると米国に約束しました。台湾はそもそも先端半導体の対中輸出を自主規制しています。

(中略)

要は、製造装置市場で寡占体制にある日蘭、ロジック半導体で圧倒的な強みを持つ台湾、メモリーで世界の過半のシェアを握る韓国を糾合し、中国を半導体飢饉に追い込むのが米国の作戦です。

ところが韓国は米国に抵抗、中国工場の設備更新を続ける構えを見せています。韓国2社の中国工場は準主力工場だからです。

(中略)

 日本ではあまり知られていませんが、韓国は米国と極度の緊張状態にあります。もし、韓国が米国に逆らって中国工場の設備更新を続ければ、米国は日蘭に命じて半導体製造装置の対韓輸出を止める可能性があります。また、レジストなど日米企業が寡占状態にある素材の対韓輸出も止まるでしょう。

韓国を疑う米国

――米国はそこまでやるでしょうか?

鈴置:やるでしょう。半導体封鎖網は軍事力を使わずして中国を抑え込む、ほぼ唯一の手段なのです。(中略)


中国との腐れ縁は続く
(中略)

ドイツと対照的な韓国
(中略)

日本は韓国無しでやっていけるが……
(中略)

半導体の盛衰は地政学で決まる

 韓国人は半導体産業の盛衰は国際政治、あるいは地政学的な要因で決まることをよく知っています。絶対に勝てないと考えていた日本の半導体産業が1990年代に一気に崩れ落ち、「韓国と台湾の時代」がやってきた。これを身をもって体験したからです。

 それは韓台企業の地道な努力の賜物でもありましたが、日本の台頭を恐れた米国が全力を挙げてその半導体産業を潰した側面もありました。そして今、韓国メディアには「米国の次の標的は、中国との関係を断たない我が国だ」との恐怖の表明が溢れます。

 だから尹錫悦政権は執拗に日本に「半導体協力」を訴えるのです。韓国にとって運のいいことに、お人よしで外相時代に2度も韓国に騙された岸田文雄氏が首相をやっているのです。

 まずは尹錫悦大統領が語ったように、ホワイトリスト(現・グループA)への復帰を迫ると思います。3品目の輸出管理は緩和されましたが、グループAに戻らないと韓国は自由自在に半導体関連の素材や製造装置を輸入できるようにはならないからです。

 新設の経済安保対話では「米国の強引な対中半導体封鎖網」への不満を日本に語らせようとするでしょう。日本をして対中封鎖網を弱体化させる作戦です。成功すれば韓国は「中国工場の閉鎖」という国の危機を回避できるかもしれません。中国に恩も売れます。

 外交的な対中包囲網であるQuadに関し韓国は「反中色の薄い準メンバーとして加入する」という作戦を立てています。舌先三寸で米中二股を貫徹するつもりなのです。IPEFも同様です。半導体でも同じ手口を使うでしょう。

「尹錫悦氏はいい人」

――岸田首相はまた、騙されるのでしょうか。

鈴置:分かりません。興味深いことにネット上では「またキシダを騙しに来た韓国大統領」への警戒感が根強い。

 一方、産経新聞を除き、新聞やテレビなどでは「尹錫悦氏はいい人」「日韓協力体制の復活」といった楽観的な空気が目立ちます。既存メディアは耳元で日本の役所や韓国政府のプロパガンダを聞かされるからでしょう。

 朝日新聞は社説「日韓首脳会談 新たな協力築く一歩に」(3月17日)で「経済安全保障の枠組みを新設することでも合意した。半導体生産などそれぞれ強みを持つ分野で対抗しあうのではなく、協働する。そんな新次元の関係を多方面で目指してほしい」と主張しました。

 日本は素材の対韓輸出規制を止めよ――韓国に対する武器を捨てよ、と説いたのです。韓国が西側に戻るかは怪しいというのに。

 日経の「半導体供給網、確立へ道 関係修復で対中包囲網」(3月17日)は以下のように解説しました。

・日韓の協業は米国の思惑にも合致する。米中対立が激しくなる中、米国は半導体の生産や調達を友好国などに移す「フレンドショアリング」を進めようとしている。
経済産業省内には「輸出管理の問題があるうちは韓国との連携は打ち出しにくい」との声が根強かった。
・水面下では日本と米国、韓国、台湾の4つの国・地域の半導体分野の強みを生かして協力を進める「CHIP(チップ)4」と呼ぶ構想がある。対中国の半導体包囲網の構築に弾みがつく。

「日韓の協業は米国の思惑に一致する」と断じるのは危険です。中国との腐れ縁を維持する韓国に対し、米国が不信感を強めているのはすでに申し上げた通りです。

 ちなみに、韓国政府はCHIP4から逃げ回っています。半面、供給網の安定を図る目的で中国政府と協議体を作りました。韓国が対中半導体包囲網に入るつもりなど全くないのは、これを見ても明らかです。

韓国は中国に立ち向かわない
(後略)


鈴置高史

全文はソースから

3/20(月) 17:02配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/68815f5bdb162482aa8df8cfa7c4f7c13bef57ec