イメージ 朝日新聞

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:2014/01/15(水) 12:54:26.78 ID:
観光やビジネスなどで昨年1年間に日本を訪れた外国人が、初めて1千万人を超えた。統計がまとまっている11月までで見ると、前年の同じ期間より2割強も増えた。官民あげてのPR、円安で外国人が使える金額が増えたこと、格安航空会社の路線が充実してきたことなどが功を奏している。

とはいえ、一昨年の外国人受け入れの国・地域別順位で、日本は33位。アジアに限っても8位にとどまる。 韓国が「韓流」文化と一体で観光を売り込んできたのは良いお手本だ。わが国も「クールジャパン」と観光立国の戦略をからめる機運が出てきたが、自治体などによる誘致はまだまだバラバラだ。政府が掲げる「3千万人」への課題は多い。

多くの外国人に来てもらう意義は何だろう。宿泊や飲食、レジャー、買い物で落ちるおカネは、地域の活性化にとって貴重だ。観光は既存の施設や社会的・文化的資産、自然環境を生かすことが基本であり、知恵次第で巨額の投資は必ずしも必要ない。成長戦略で重視されるゆえんだ。

日本を体験した人が海外に増えれば、国際交流が深まり、外交の安定に貢献することも忘れてはなるまい。訪日客数の上位に並ぶ韓国、中国との関係がぎくしゃくしているだけに、なおさらである。

注目したいのは、政府が昨年、矢継ぎ早に打ち出したビザ発給の緩和だ。タイとマレーシアには短期滞在者を対象に免除した。ベトナムとフィリピン、カンボジア、ラオスの4カ国には、一定期間中は何度でも有効な数次ビザの発給を始めた。東南アジア諸国連合(ASEAN)との友好40周年記念が直接の理由だが、訪日者を増やす効果は大きい。

ここは、中国に対しても緩和を検討してはどうだろう。現在は1回限りの1次ビザが基本で、沖縄か大震災の被災地である東北3県で宿泊する人には数次ビザを出している。前年割れが続いていた中国からの訪日客は、昨年秋から急回復しており、はずみをつけたい。

中国人と対照的なのは、訪日首位の韓国人の動向だ。増加傾向が続いていたが、福島第一原発の汚染水問題が注目された昨年夏以降、急速に陰った。同時期に日本近海の海産物を避ける動きも強まった。

安全・安心の問題は、海外との関係にとどまらない。国民にとって安全で暮らしやすい環境をつくることが、訪日客を増やすことにもつながる。

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