サムスン 韓国 経済 

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:2014/08/03(日) 15:47:28.62 ID:
【コラム】不振の原因を究明しないサムスン電子

 サムスン電子が再び「非常経営」に入った。今年第2四半期(4-6月)にスマートフォン(多機能携帯電話)事業が予想より不振だったことから、危機打開を目指した格好だ。飛行時間10時間以内の海外出張では役員もエコノミークラスを利用することとし、出張費用を20%カットすることも決めた。ソウル市瑞草区の社屋にある経営支援室所属の社員150-200人を水原市などの生産現場に投入する動きも進んでいる。

 危機意識は現在のサムスン電子を生み出した力だ。サムスンの成長史を見ると、危機意識が経営の重要なキーワードだった。「女房と息子以外は全て変えろ」と命じた李健熙(イ・ゴンヒ)会長の「新経営宣言」は、変化がなければ滅ぶという危機意識の表れだ。「5年、10年後にどうやって食べていくかを考えると、背筋に冷や汗をかく」という発言も同様だ。

 こうした危機意識は未来戦略室を経由し、系列企業にも広がっている。「順調なサムスンが騒ぎ過ぎだ」という反応も聞かれるが、経営環境の変化に非常体制で対応してきたことが成功の要因であることを否定はできない。

 しかし、サムスン電子が現在広めている危機意識と非常経営の内容には素直にうなずくことができない。今が危機だというならば、その危機の原因を的確に分析したのかは不明だし、出張費の削減や成果給の返上などのコスト削減に象徴される非常経営が危機対策として適切かどうかは疑問だ。

 サムスン電子が直面する現実に対する専門家の見方は大方一致している。ソフトウエア競争力と革新能力でアップル、グーグルなどに劣ることだ。トップ企業を追撃する立場であれば、優れた生産力、それを支える厳格な組織文化と規律が大切だ。しかし、トップ企業の仲間入りを果たした現在、未知の市場を開拓する創意性、大胆な挑戦が奨励され、失敗が容認される柔軟な組織文化が求められる。

 ところが、現在のサムスン電子の非常経営は過去回帰的で後進的だ。危機の原因を究明せず、支出から抑えようとしている。自発性とは程遠い上意下達式だ。創意と革新が求められる競争時代に農業的な勤倹、勤勉さを求めているようなものだ。アップル、グーグルと競うつもりで働いてきた若い社員は、エコノミークラスに10時間も乗り、重要な交渉のために出張に赴く役員を見てどう思うだろうか。

 サムスン電子のそうした非常経営は韓国経済にも利するところがない。第2四半期に「7兆1900億ウォン(約7190億円)だけ」しか営業利益が上げられなかったことを理由に、役員は成果給まで返上したが、これでは数十億ウォンの利益を上げた企業が果敢な投資を行ったり、社員の成果給を太っ腹に支給したりすることはできない。ただでさえ冷え込んだ内需に冷や水を浴びせかねない。

 サムスンによる過去の危機打開策はコスト削減だけではなかった。1990年代前半には、パスポートすら持っていない役員が半分以上いたが、数十人、数百人単位でドイツ、イタリア、日本などに人材を派遣し、進んだ文物を体験させ、「新たな経営」を学ばせた。当時としては思い切った支出だった。そうした創意的で大胆な非常経営が今日のサムスンの礎になっている。

 サムスンが現在を危機だと判断したならば、コスト削減が最優先ではない。韓国最大の企業として、他の企業に与える影響にも配慮しつつ、「長男」らしい対策、危機の原因を正確に分析した上での非常経営を期待したい。

チョ・ジュンシク産業2部長

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2014/08/03 07:09
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/08/02/2014080200763.html