サムスン スマホ 

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:2014/08/03(日) 15:44:32.04 ID:
サムスン、"9年ぶり減収"の深刻度
中国のスマホ販売が不振、漂い始めた暗雲

 韓国のサムスン電子が7月31日、2014年第2四半期の決算を発表した。売上高は52兆3500億ウォン(1ウォン=0.1円)と前年同期比24.6%の減収。営業利益は7兆1900億ウォンと同8.9%の減益となった。四半期ごとの売上高が減収となったのは2005年第2四半期以来、9年ぶり。また、四半期ごとの営業利益が8兆ウォンに届かなかったのは2012年第2四半期以来のことだ。

 「急ブレーキ」の原因は、ディスプレーやテレビ、家電などは順調だったものの、主力のスマートフォンをはじめとするITモバイル事業がふるわなかったためだ。同事業の14年第2四半期の営業利益は4.42兆ウォンと前四半期と比べても31.3%の減益。同社の営業利益全体で同事業は約6割を占めており、業績不振が強く全体に影響した。

■苦戦の中国で巻き返せるのか

 「ギャラクシーシリーズ」でサムスン電子の業績をリードしてきたスマホだが、特に中国市場で苦戦を強いられている。中国メーカーの低価格攻勢で競争が激化。在庫調整や拡販などで費用負担を強いられているのが大幅減益の主な原因だ。サムスン電子は、第3四半期からの業績回復のため、中国市場で同国のLTE分野での巻き返しを図るとみられている。

 例えば、携帯端末ではこれまでのハイエンド製品の拡販に力を入れると同時に、中・低価格品では、ハイエンド品の機能を一部搭載することでシェアを奪回。一方で、ハイエンド製品への乗り換え需要を掘り起こし、収益性と確保するという戦略のようだ。

 一方、不振が続くシステムLSI事業のテコ入れも図る。中国をはじめLTE、LTE-A向けの
インフラ構築が進むことで、サムスン電子が開発したARM系マイクロプロセッサ「エクシノス」
(Exynos)の新型を今下半期から自社製品に搭載。これにより、拡大するLTE利用を土台に、携帯端末と部品の半導体事業の収益力も同時に測る方針のようだ。

■焦る経営陣?決算会見時の表情は硬いまま

 同社の第2四半期決算は株価にも影響。韓国株式市場では7月31日、8月1日とサムスン電子株は大幅に下落。韓国の証券会社も、同社の第3四半期業績にはやや厳しい目を向けている。

 証券会社の多くが、第3四半期の営業利益も、前四半期と変わらない7兆ウォン~7兆5000億ウォン程度になると予想。一部では、7兆ウォンを切るとの予想を出しているところもある。「第3四半期は中・低価格品のシェアは拡大しそうだが、販売単価が本当に上がるのかどうか。価格面での値下げ圧力が続くことが予想され、営業利益が大きく反転するとは考えにくい」(韓国の証券アナリスト)。

 「決算発表時の経営陣の表情が硬かった」と意外そうに話す。どんな決算内容でも堂々として自信満々の発表を行うサムスン電子だが、今回はおとなしかったという。

 いずれにしろ、第3四半期に「ギャラクシー」などスマホのシェアが改善されなければ、今後は厳しい目を向けざるを得ないという雰囲気が、韓国の証券業界に広まりつつある。サムスン電子がこうした見方に対して、踏ん張れるかどうかが注目される。

東洋経済Online 2014年08月02日
http://toyokeizai.net/articles/-/44450