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1nita ★2018/06/10(日)08:52:18.61ID:CAP_USER9.net
6/10(日) 8:00配信
毎日新聞

 【ベルリン中西啓介】

 独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)による排ガス規制逃れ問題を巡り、独政府の対応に厳しい目が注がれている。欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会は先月、独政府に対して司法手続きの迅速化を要請し、再発防止策も促した。だが独政府には雇用問題などを背景に自動車業界擁護の姿勢が目立っており、業界の信頼回復への道筋も明らかではない。

 ◇雇用支える車業界擁護

 規制逃れは2015年9月、米環境保護局(EPA)の調査で発覚した。VWはディーゼルエンジン車に検査時にだけ排ガス基準を満たすよう設定された違法なソフトウエアを搭載。米司法省が今年5月、当時VWグループの会長兼CEOだったウィンターコルン氏=引責辞任=を排ガス規制法違反罪などで米中西部ミシガン州の裁判所に起訴したと発表した。

 米当局はウィンターコルン氏を国際手配。だが独政府はドイツ人の米国への移送を認めておらず、身柄拘束は行われていない。独北部ブラウンシュワイクの検察はウィンターコルン氏ら複数のVW幹部に対する捜査を進めてはいる。ただ、ウィンターコルン氏は不正工作への関与を否定しており、独国内で刑事責任の解明が進むかは不透明だ。

 VWグループ傘下のポルシェやアウディでも同様の不正が発覚しており、業界全体の信頼が揺らぐ。こうした中、独政府はVWが提案した不正ソフトの更新を受け入れたものの、環境基準に適合するためのエンジン交換までは求めなかった。

 連邦議会(下院)のVW問題調査特別委員会は昨年6月、「ドブリント運輸相(当時)は自動車業界を擁護し、罰金の支払いを免除した」と指摘する報告書を公表。雇用や自治体の財政収入を支える自動車産業への規制に及び腰な一方、運輸相の政治的責任を明確化しない政府を非難した。

 独政府の動きが鈍い中、欧州委員会は先月17日、ディーゼル車の排ガスが主因の大気汚染への対応を求め、独仏英政府などをEU裁判所に提訴。さらに独政府に対してはVW事件の法的措置に関する情報提供を求める督促状を送付した。

 これに対し、ショイアー独運輸相は「法的措置は司法当局の仕事。欧州委員会がそんなことも知らないとは奇妙だ」と強く反発している。だが、与党キリスト教民主同盟幹部のブリンクハウス連邦議会議員は毎日新聞の取材に、EUが監督権限の強化に動くことを懸念し、「再発防止は国の権限で可能だ」と政府の対応を求めた。

 ◇放置した政治家、責任免れず シュテファン・キューン議員

 VWによる排ガス規制逃れ問題は国際的な事件に発展する一方、独政府が自動車業界に毅然(きぜん)とした態度を示せず、再発防止もままならない。独連邦議会でVW問題調査特別委のメンバーだった野党・緑の党のシュテファン・キューン議員に問題点を聞いた。【聞き手・ベルリン中西啓介】

 --問題発覚から約3年、政治による真相解明は進みましたか。

 ◆調査特別委は、政府側になぜ、自動車業界(の不正)から目をそらす「文化」があり、担当官庁が早期に不正を発見できなかったのかを解明しようとした。しかし、調査委の活動にもかかわらず、誰も政治的責任を取ることはなく、車の所有者は金銭的補償も受けられていない。不正ソフトウエアのアップデートによって排ガスは3割程度減るものの、それでも環境基準を3倍以上、上回っている。

 --なぜ不十分な環境対策が容認されているのでしょう。

 ◆自動車産業に多くの雇用が依存しているため、企業を経済的負担から守るべきだという考えがある。だが、これは間違った企業支援だ。独車の4分の3が輸出されるなか、中国など成長市場では環境負荷の少ない電気自動車や燃料電池車へのシフトが鮮明になっている。ドイツではいまだにディーゼル車への税制優遇があるが、欧州全体で電気自動車の普及を目指すべきだ。

 --EUは独政府の対応を厳しい目で見ています。

 ◆独メーカーはEU法を利用し、新車の許認可試験をルクセンブルクなどの国で行ってきた。こうした国の検査は厳しくないからだ。私は新設のEU機関が(どの国でも)統一規格による厳格な試験を行うべきだと主張したが、独国内の反対で実現していない。独政府は不正対象車のエンジン交換を指示し、メーカーに制裁や罰金を科すべきだ。そして企業幹部の法的責任の追及だけでなく、事件を放置した政治家の責任も問われるべきだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180610-00000014-mai-int