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1: みつを ★ 2018/01/07 19:55:04.61 ID:CAP_USER.net
http://www.afpbb.com/articles/-/3156931?cx_position=42

2018年1月7日 9:00 発信地:平壌/北朝鮮
 
【1月7日 AFP】
 
 北朝鮮と韓国の社会は根本的に異なっている。片や何十年にもわたって同じ一族が支配する国、片や自由気ままな民主主義国家で経済的にも裕福だ。そんな違いばかりが目立つ両国だが、共通するものももちろんある。その一つは白菜などの野菜の漬物「キムチ」への愛情だろう。


 今は南北に分かれている朝鮮半島(Korean Peninsula)で、キムチは数世紀にもわたってほとんど毎食の定番メニューとされてきた。

 国連(UN)の統計で国民の40%が慢性/的な栄養不良状態とされる北朝鮮では、食事の中心である米にキムチが味わいを添えてきた。一方の韓国では西洋風の食事からベトナム料理まで、ほぼあらゆる食事にキムチが添えられる。

 しかし、両国政府が朝鮮半島の再統一に取り組むといくら宣言しても、郵便の行き来や電話回線もないまま70年以上も分断されていれば、両国の違いはベルリンの壁(Berlin Wall)が崩壊したときの東西ドイツよりも大きいといえるだろう。キムチにもその違いがしっかりと見て取れるようだ。

 北朝鮮の平壌中心部に住むソン・ソンフイさんは、北朝鮮のキムチの方が優れていると愛国的に擁護し「南のキムチは食べたことがないけど、平壌キムチの方が南のものよりもずっとおいしいと思う」と話す。

 いつの時代にもその地域、地方ごとのキムチがある。韓国のソウルにある「世界キムチ研究所(WIKIM)」の研究員、パク・チェリン(Park Chae-Rin)氏によると、韓国のキムチは塩気が強く味が濃いという。より温暖な気候のため、白菜の保存が難しいというのがその理由だ。さらに、韓国では多くの家庭でキムチ専用の冷蔵庫が用意されており、また香辛料や調味料もさまざまなものが入手可能であることなどから、北朝鮮のキムチとの違いはさらに大きくなる一方だ。

 両国での違いについてパク氏は、「北朝鮮のキムチは近代化の前、冷蔵庫がまだなく材料も手に入りにくかった時代に食べられていたキムチに似ている」と述べ、「韓国ではそのようなキムチは完全に消えてしまった」と続けた。

■伝統の「キムジャン」は南北変わらず

 そうした違いが鮮明になる中でも、毎年肌寒い季節になると行われるキムチの付け込み行事「キムジャン」は各家庭の伝統としてどちらの国にも残っている。

 北朝鮮の一般家庭で行われている「キムジャン」を見てみたいとリクエストしたところ、平壌にあるソンさんのマンションで漬け込みの作業を見せてもらえることになった。ソンさん宅には、いとこのユウ・ヤンフイさんが来ていた。プロの料理人であるユウさんは、薄切りにした大根やニンニク、細かくしたタラ、赤トウガラシのペーストを混ぜ合わせ、それらを24時間、塩水に漬けて柔らかくした白菜の葉の間に手際よく広げていった。この白菜をプラスチック製のバケツに詰め、ベランダに置いて発酵させると1週間後にはキムチとなる。食べごろになるまでには1か月くらいかかるという。「コリアンはキムチだけあれば、ご飯が食べられる」とユウさんは説明した。

 故金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席と故金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の巨大な像を見渡せるマンションに住むソンさん一家は、間違いなく北朝鮮のエリート家族だ。父親は後に国に譲渡することになったガラス工場の創業者だという。ソンさん宅にあるピアノは金正日総書記から贈られたものだ。またリビングルームに飾られていた集合写真には、現在の指導者、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長とそのすぐ後ろに立つソンさんの姿を見ることができた。

 南北の意見を分かれさせている文化的要素はもちろんキムチだけではない。70年の分断を経て、日々使っている言語にも北朝鮮と韓国で違いが生じてきている。数年前にはビールの味の違いでちょっとした問題に発展したこともある。

 だがキムチに関しては、その味と質の議論が常にそれぞれの「記憶に残っている味」をめぐり行われているとWIKIMのパク氏は指摘する。「食べて育ったキムチ…母親が作ってくれたキムチに最も似た味のキムチを人はおいしいと感じる」と話し、その理由から「キムチにはすべてのコリアンを束ねる情緒的な共通要素がある」のだと説明した。
 
(c)AFP/Hwang Sunghee in Seoul, Sebastien Berger in Pyongyang