1:2014/05/25(日) 10:09:09.90 ID:
今月で開通15年を迎えた「(西瀬戸自動車道)」(広島県尾道市―愛媛県今治市)を国際的に売りだそうという動きが活気づいている。

海外での認知度が高まり、沿線自治体が、外国人サイクリストの呼び込みに知恵を絞る。サイクリングコースは約70キロ。有料の橋が6本有り、料金は計500円。

注目されるきっかけは2012年5月、台湾・大手自転車メーカー「ジャイアント」の劉金標会長が来日してしまなみ海道を走り、ブログに「景色が素晴らしく、とても走りやすい」と書いたこと。

台湾での関心が高まり、旅行会社「フジ・トラベル・サービス」(松山市)によると、サイクリング目的の外国人観光客の取り扱いは11年はゼロだったのが、12年120人、13年205人、今年は4月末までに122人に。ほとんどが台湾からで、「穏やかな海に感動した」「島が連なる風景はのどかで懐かしい」と好評という。

大崎上島町の「ホテル清風館」は、外国人利用者が増え、台湾人客らに対応できるよう、中国人客室係2人を採用した。西本正司・副支配人(55)は、「満喫してもらえるよう、心づくしのおもてなしをしたい」と話す。

行政も腰を上げた。県は、尾道市西御所町の県営海運倉庫を改修し、今年3月、自転車を部屋に持ち込める、サイクリング客向けホテルを整備、民間事業者が「ONOMICHI U2」として運営する。オーストラリア、イギリスなどの雑誌やネットメディアの取材が予定されている。愛媛県の中村時広知事も、ガルーダ・インドネシア航空副社長らと海道を走ってPRした。

10月には、両県で作る実行委が国際サイクリング大会を開催。参加者約8000人の1割は海外から呼び込む計画で、景色が名高い台湾の湖・日月潭(たん)周遊コースとの姉妹縁組計画も進む。

台湾でのトップセールスで魅力を訴えた平谷祐宏・尾道市長は、「20年の東京五輪までに、『SHIMANAMI』を世界で通じるサイクリングコースにする」と意気込む。

しまなみ海道は1999年5月1日開通。本四連絡橋3ルートで唯一ある、有料の自転車道を併設している。瀬戸内の多島美が人気を呼び、2008年頃からサイクリング客が増え始めた。同市観光課によると、沿線のレンタサイクルの利用は同年度4万1900台が、昨年度は8万1800台に。サイクリング客数は、昨年度は推計18万6000人と過去最高になった。

 世界88か国を自転車で旅した自転車ツアーガイド・宇都宮一成さん(46)(今治市)は、
「多くの島々と潮流を間近に見るコースは、世界的にもまれ。村上水軍の史跡など日本の歴史や、島の暮らしにも触れられるのが、外国人に受けているのでは」と話す。

瀬戸内海の風景を楽しみながら 走るサイクリング客
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壁掛け式の自転車置きなどが設けられた「ONOMICHI U2」の客室(広島県尾道市で)
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