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1:2017/05/02(火) 23:37:43.93 ID:
 【ワシントン=加納宏幸】
 
 マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は4月30日、FOXニュースの番組で、北朝鮮の弾道ミサイルに対処するため韓国に配備された米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」に関し、韓国側に費用負担をさせるため再交渉する可能性に言及した。配備費用は在韓米軍地位協定により米側が負担することで合意している。


 トランプ大統領は27日のロイター通信とのインタビューで、10億ドル(約1110億円)の配備費用を負担するよう韓国政府に伝えたと述べていた。

 これについて、マクマスター氏は「私が大統領を否定するようなことをしてはならない」と強調。その上で、「再交渉するまでは合意を守る」ものの、米軍駐留に関する全ての同盟国との協議の中でTHAAD配備費用に関しても再交渉する可能性があるとの認識を示した。

 ペンス副大統領も30日のNBCテレビ番組で、日本や韓国、欧州の同盟国による負担に言及し、「大統領は米国が安全保障や保護を提供する繁栄した国々に対し、自国防衛により多くの努力をするよう求め続けていく」と述べた。

 ■韓国次期政権、国家間合意撤回も

 反対世論による混乱の末に、ようやくTHAAD配備にこぎつけた韓国。今度は米国側から伝えられたトランプ大統領やマクマスター米大統領補佐官による、THAADの費用負担の要求や再交渉発言に当惑し、動揺や反発が広がっている。

 THAADは、発射台付き車両で高性能のXバンドレーダーとともに運用される。在韓米軍は先月26日、米韓合意に基づき、THAADの発射台やレーダーなどを韓国南部の慶尚北道星州(キョンサンプクトソンジュ)郡にある配備先に搬入。事実上、配備を終えた。

 その直後、トランプ氏がTHAAD費用の負担を韓国に求めたとの発言が伝えられると、それまで配備を支持していた韓国メディアからも猛批判が続いた。

 韓国大統領府の金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長はマクマスター氏と電話会談。会談後、大統領府は、費用の米側負担という「従来の合意内容を再確認した」と発表した。韓国メディアによれば、マクマスター氏のその後の「再交渉発言」についても「韓米間の従来の合意が有効なことを再確認したもの」と説明している。

 THAAD費用負担について韓国国防省報道官は1日の定例会見で、「韓米の合意事項であり、在韓米軍地位協定に明示されている」とし、「再交渉の対象になり得ない」と述べた。

 地位協定に基づき米韓は、THAADの配備地とインフラ(基盤)を韓国側が提供し、10億ドルに上るTHAADの配備・運営費用を米国側が負担することで合意している。

 ただし、問題はマクマスター氏が「再交渉するまでは従来の合意を守る」と語ったように、来年の米韓の交渉で決める2019年以降の在韓米軍駐留経費の韓国側の負担額だ。韓国国防省報道官は現時点での再交渉は否定しつつも、交渉でTHAAD関連経費を扱うかについて明言を避けた。

 THAADの費用負担問題に動揺が広がる韓国では、問題が今月9日の大統領選挙の新たな争点となっている。THAADの次期政権での再協議を主張する左派系最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補は現在も支持率トップ。北朝鮮をめぐる緊張が高まるなか、一時はTHAAD配備に反対でも賛成でもないという曖昧な姿勢を見せた。だが、費用負担問題の浮上を好機ととらえ攻勢に出ている。

 文氏陣営は1日、「奇襲作戦のようにTHAADを電撃配備し、同盟国間の費用をめぐりピンポンゲームをしている」と米国を批判。さらに、「THAAD配備を中断し次期政権に引き渡せ。文候補が強調してきたように次期政府で国益最優先の原則に従い透明性をもち決定すべきだ」と配備中止と再協議を訴えた。

 国家間の合意に従ったTHAAD配備を撤回するというあり得ないことが、韓国の次期政権で起き、米韓の同盟関係までも揺り動かす可能性が出てきている。(ソウル 名村隆寛)
 
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20170502/frn1705021100007-n1.htm