1:2017/03/14(火) 10:16:31.55 ID:
 韓国の憲法裁判所は人民裁判に加担した-。朴槿恵大統領罷免を決めた憲法裁判所決定文(通常の裁判の判決に相当する)を読んだ感想だ。

≪訴追の違憲性を問うべきだ≫

 12月の国会による弾劾訴追は違憲の疑いがある拙速ずさんなものだった。韓国憲法は国会が大統領を弾劾訴追できるのは憲法と法律に違反したときだけと規定している。つまり、国会が刑事の役割を担って起訴状を提出するのが弾劾訴追だ。

 ところが、国会は事実関係の調査を行わず専門家の法理の検討も経ずに「訴追案」を数日で書き上げた。その結論部分では100万人の国民が弾劾を求めるデモを行ったから「これ以上、大統領の職責を遂行するなという国民の意思は明らかだ」とした。

 しかし、100万という数字は主催者の左派労組などが一方的に発表した誇張で、警察発表は30万だった。このようなでたらめな訴追案を委員会で審議をせず、本会議でも討論さえ省略して3分の2以上の賛成で可決してしまった。

 与党議員約60人が朴槿恵大統領を裏切り、訴追案に賛成した結果だ。賛成に回った与党議員の多くは、直前まで訴追案にセウォル号事件が理由に入っていることに同意できないと主張していた。

 ところが野党議員は訴追案を修正せず、逆に否決されれば全員、議員辞職をすると脅した。与党議員も訴追が否決されれば、ろうそくデモが過激な行動に出て革命的状況になることを恐れたのだ。

 弁護団の一人である金平祐・元弁護士協会会長は、国会による弾劾訴追は大統領の職務を停止させる強大な効力を発揮するものだから、事実関係糾明と法理検討が十分なされたものでなければ三権分立や、大統領の直接選挙を定める憲法に違反すると指摘。その点で今回の訴追はまさに違憲の疑いが濃いと論じている。

 ところが、憲法裁判所は弾劾訴追議決手続きは国会の自律権に属し、その瑕疵(かし)に関しては争点として取り上げないとする強引な決定を行った。決定文では、国会の訴追は公職からの罷免を求めるもので、刑事責任を問うものではないなどの理屈を立てて、ずさんさを弁護した。

 しかし、その点を決定文に書くなら、少なくとも「訴追の違憲性」についての審理を行うべきだった。

≪保守派を糾合する時間がない≫

 結果として、大統領の裁量権については、厳しく制限を加えて「職権乱用」を憲法違反と断定しながら、国会の裁量は無限に認めて、その“違憲的”な弾劾訴追をまったく問題にしないという、恐るべき偏向した決定を行った。

 ろうそくデモを主導したのは北朝鮮とつながる過激な左派勢力で、彼らは韓国の国是である反共自由民主主義体制の転覆を目標としている。

 危機感を抱いた保守派は弾劾訴追成立後に太極旗を手に街頭に出て抗議活動を展開。3月1日には30万人以上が弾劾反対を叫んでソウル中心部を埋め尽くした。しかし、その声は憲法裁判所には届かなかった。

 保守派は憲法裁判所の偏向した決定を違憲だと抗議し、今後、違憲弾劾糾弾と従北左派政権阻止を掲げて戦うと宣言した。

 保守派のリーダーである趙甲済氏は「5月の大統領選挙で争点を、自由民主主義体制を守るのか従北左派政権を許すのか-と設定すれば勝機はある。従北左派政権阻止に失敗すれば、体制を守るため国民抵抗権を発動して命がけの行動をしなければならない」と語る。

 しかし、保守派が期待をかけていた黄教安首相は大統領権限代行として選挙管理を行う責任があり、立候補は困難になった。保守候補をかつぐべき自由韓国党(セヌリ党が改称)も弾劾訴追に賛成した議員30人あまりが脱党して100人を切り、そのうち弾劾反対署名議員は56人しかいなかった。

http://www.sankei.com/column/news/170314/clm1703140006-n1.html
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http://www.sankei.com/column/news/170314/clm1703140006-n3.html
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>>2以降に続く)


西岡力・東京基督教大学教授