1:2017/03/03(金) 21:59:01.48 ID:

▲軍艦島の背景として落書きが挿入されたハンギョレ新聞の漫画(2015年7月7日)。この落書きは炭鉱の朝鮮人寮の壁に残されていたとされ、「お母さんに会いたい」「お腹すいたよ」「故郷に帰りたい」と書かれている。

 前半で紹介した「落書き」の問題は主に2つだ。

 まず、演出された写真であるにもかかわらず、日韓両国で数十年間「事実」かのように認識されてきたという点、恐らく検証しようという努力がなされず、マスコミはむしろこれを広めるのに大きな役割を果たした。最も深刻だと思うのは韓国のケースだが、韓国ではこの「落書き」が教科書(『近現代史教科書』 中央教育 2004)に掲載され、教育を通して拡散し定着した。捏造資料を見て学んだ幼い学生たちは、日本に対してどのような感情を抱くだろうか? 考えただけでも嫌になる。

 次に、2000年代初・中盤には既に捏造だということが西日本新聞や在日韓国人研究家により明らかにされていたのにも関わらず、依然として「強制連行の残酷性」をアピールする資料として使用されているという点だ。最近の韓国マスコミは、むしろこれを「軍艦島」に関連付けて紹介するなど意図的な「ミスリード」ともとれるような報道さえしている。これらの報道を目にした韓国人は日本への感情を悪化させるしかない。

 だが、実はこの問題について考えるときに、日本も、そしてもちろん韓国も、知っておくべき事実がある。それは、この落書きが最初に登場した映画『乙巳年の売国奴』の内容と、この映画が作られた背景についてである。驚くべきことに、この映画は日本の植民地政策を批判するために作られた映画ではないのだ。北朝鮮系組織が戦後の日韓和解、即ち、日韓国交正常化を破綻させようと作られた冷戦時代のプロパガンダ映画だったという事実である。

 この問題を理解するために最も重要なポイントは、この捏造劇の始発点、映画『乙巳年の売国奴』である。この映画の内容、そして作られた目的が何であったのか。この映画は1965年に日本で制作された白黒フィルムの映画だが、映画の中で使われている言語は韓国語である。元々メジャーな映画でもなく、現在では入手することも難しい映画だ(韓国では北朝鮮の資料という理由で公開や閲覧が制限されている)。私はソウルにある統一部傘下にある北朝鮮資料室でこの映画を視聴した。(中略:映画のタイトルの「売国奴」とは、1965年に日韓国交正常化を推進した朴正煕(大統領))

 映画の内容は単純だ。日本統治期に日本が朝鮮と朝鮮人民に対し酷い虐待、搾取、収奪を繰り返してきたかを見せつけ、そんな日本と和解し手を取ろうとする朴正煕政権は民族の背信者であり売国奴であると糾弾し、日韓国交正常化に反対、批判する映画だ。ここで日本統治期の朝鮮弾圧を描写するために登場したのが、前述した「落書き」である。つまり、落書きは朝鮮総連系の団体が韓国と日本の和解を妨害するために制作した映画の中で「反日素材」のための小道具として作り出されたものだったのだ。

 この映画を制作した在日本朝鮮文学芸術家同盟は今も活動を続けている。韓国と北朝鮮を往来し、学術会議を開いたり、2016年4月には北朝鮮を訪問し金日成と金正日の銅像を参拝するなどした。映画『乙巳年の売国奴』を撮った監督が1970年代初に北朝鮮に移住したことを考えても、彼らと北朝鮮との「繋がり」が無視できないものであることが分かる。
 
>>2-5あたりに続く

崔 碩栄 (ジャーナリスト)

ソース:wedge<日韓対立煽動に利用された『強制連行の神話』 (後)>
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8974

関連記事:wedge<日韓対立煽動に利用された『強制連行の神話』(前編)>
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8925