1:2017/02/22(水) 05:42:28.36 ID:
 中国政府は年内にもオーストラリアで純度の高い高品質鉄鉱石鉱山の共同開発に着手する。大気汚染の抑制に加え、中国国内の鉄鋼の余剰生産能力の削減が最重要課題となる中で、鉄鋼業界の再編を進め、高品質の鉄鋼生産につなげる狙いだ。

投資額3860億円

 中国政府は21日までに、同国最大の鉄鋼生産地である河北省と天津省にある製鉄工場の生産制限に踏み切ると発表した。3月5日に北京で始まる「全国人民代表大会(全人代、国会に相当)」を前に生産抑制で大気汚染を低減する。中国当局は過去数年間、重要な国際会議や国内政治イベントなどが行われるたびに、大気汚染防止策として国内製鉄工場に生産削減を命じていた。鉄鋼製品の供給が制限されるとの予測が浮上。中国の鉄鉱石先物価格は急伸し、3年ぶりの高値水準を記録した。

 マイン・ライフのアナリスト、ガビン・ウェント氏によると、最近の鉄鉱石の価格上昇の背景には中国国内で高品質鉄鉱石への需要が高まっていることがある。

 このため中国大手鉄鋼業者は、ブラジルやオーストラリアから高品質鉄鉱石を輸入せざるを得ない状況だという。

 世界最大規模とされる中国鉄鋼市場では、今後インフラ支出および建設支出の拡大で、強い季節的需要が予想されている。

 こうした中、中国は南オーストラリア州と共同で豪州南部エア半島で鉱山開発から鉄道や港湾整備に至る鉄鉱石プロジェクトの事業化調査を開始した。投資額は34億ドル(約3860億円)に上る。中国国有鉄道建設大手の中国中鉄と豪鉄鉱石開発会社アイアンロードが主体となり、高品質の鉄鉱石鉱区を開発し、2020年後半には年産2400万トンの採掘を目指す。

 ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、イ・ジュウ氏は「中国では、環境保護規制の強化と製鋼所の収益性向上に伴って高品質な鉄鉱石に対する需要が増加している」という。さらに英調査会社CRUグループによれば、中国の鉄鋼業界の再編が最高品質の鉄鉱石の需要拡大に拍車をかけている。

 アイアンロードのマネジングディレクター、アンドリュー・ストックス氏は「当社の鉄鉱石によって、中国の製鋼所は生産性向上、省エネルギーや大気中への放出低減といった三大要素の改善に貢献できる」と説明した。

 このプロジェクトは年内に最終的な投資決定が下される見通しだ。昨年署名された暫定合意で中国中鉄は同プロジェクトの株の15%を所有するとされており、認可が下りれば、正式に工事の元請企業となる。

中東でも需要高まる

 中国の李克強首相は1月、鉄鋼と石炭の過剰生産能力について、16年は鉄鋼で6500万トン、石炭は2億9000万トン削減したと発表した。

 同プロジェクトで産出する高品質鉄鉱石の一種マグネタイトは、処理コストが比較的高いにもかかわらず、高品質鋼材を生産する製鋼所にとって、高値でも欠かせない貴重な原料だ。

 世界4位の豪鉄鉱石輸出会社、フォーテスキュー・メタルズ・グループ(FMG)は、マグネタイトは需要が限られているため市場の成長は緩やかだが、将来的にはより高品質な原料が求められるようになると予測している。

 南オーストラリア州に拠点を置く同社は、中国鉄鋼大手の上海宝鋼集団(バオスチール)と台湾塑膠工業(台湾プラスチック)グループと合弁でアイアン・ブリッジ磁鉄鉱プロジェクトを進めている。

 中国と同様に、アルジェリアやオマーンなどの鉄鋼プラントが原料を必要としている中東地域でも高品質な鉄鉱石の需要は高まっており、新たな鉱区の開発を後押ししていると、豪鉱物探査会社マグネタイト・マインズのトール会長は述べている。 同社は、バオスチール傘下の寧波鋼鉄有限公司と1月に販売契約を結んだほか、中国や日本、韓国、中東のパートナーや投資者の候補先との協議も開始した。
 
(ブルームバーグ David Stringer)

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/170222/mcb1702220500022-n1.htm


オーストラリア西部にある鉄鉱石鉱山。中国は高品質の鉄鋼製品の生産に向け、年内にも南オーストラリア州と共同で新たな鉄鉱石の開発を始める(ブルームバーグ)