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(イメージです。)
1:2017/01/28(土) 00:59:30.92 ID:
 日本最西端の島・与那国島(沖縄県与那国町)は、東京から約1900キロ、沖縄本島から509キロ、台湾からも111キロ、武装した中国海警艦が領海侵入を繰り返す尖閣諸島まで約150キロの位置にある。東シナ海と太平洋に挟まれた国境の島である。

 本来ならば、他国のように国境警備隊が常駐してもおかしくないが、最近まで、たった1人の自衛官すら存在しなかった。島内2カ所にある駐在所の警察官2人が持つ拳銃2丁だけが、島を守る武器だった。

 島の人口は、最盛期の約1万2000人(戦後の混乱期に3万人説もある)から減少し続け、2015年の人口は、わずか1489人。地場産業の停滞で雇用も行き詰まり、高校がないため子供の進学に合わせて一家で離島する者も多かった。これでは、いつか「海上の限界集落」と化し、尖閣諸島と同様、無人島への道を歩みかねない。

 過去には、麻薬や中国製トカレフなどの密輸、ベトナムのボートピープルが上陸する事件もあった。尖閣諸島に最も近い島として、東シナ海の覇権を狙う中国の圧力や、台湾・中国漁船の領海侵犯などを考えると、安閑としてはいられない。

 昨年3月、この与那国島に朗報が届いた。民主党政権時代に頓挫した陸上自衛隊・沿岸監視隊の配備がやっと実現したのだ。すでに島内2カ所、26ヘクタールの土地に、レーダーサイトや貯蔵庫などの諸施設、隊舎や家族宿舎も完成した。

 これまで「防衛の空白地」だった南西地域の防衛力強化の一環である。船舶や航空機を24時間監視し、尖閣諸島周辺の中国軍などの情報収集が主な任務である。隊員約160人と家族約90人が新しい住民として暮らす。島人口の約6分の1を自衛隊関係者が占めることになる。

 自衛隊の関連工事で、600人ほどの作業員も島に入り、ホテルや民宿は満杯だ。コンビニやガソリンスタンドの売り上げも増加し、ちょっとしたミニバブルの経済効果が出ている。住民税も増収となり、一部の基地反対者を除く島民たちは歓迎した。

 防衛省はさらに、防衛力を高める「南西シフト」を進めている。2018年度末までに、鹿児島・奄美大島に警備部隊とミサイル部隊を計550人規模で、沖縄・宮古島に700~800人規模で配備する。19年度以降も、沖縄・石垣島に500~600人規模の警備部隊とミサイル部隊を配備する計画がある。

 米海軍第7艦隊の司令官であるロバート・トーマス中将は「対立の激しい南シナ海を安定させる役割として、日本の自衛隊による哨戒活動に期待する」と発言している。

 この際、日米同盟をさらに強化して、尖閣諸島で自衛隊特殊部隊の訓練や、海難防止対策としての灯台建設などを段階的に進めるのも抑止力の1つではないだろうか。

 ■山本皓一(やまもと・こういち) 1943年、香川県生まれ。日大芸術学部を卒業後、渡米。出版社を経て、フリーランスのフォト・ジャーナリストに。世界各国のルポルタージュや、湾岸戦争、ソ連崩壊、北朝鮮などをカバー。近年は尖閣諸島や北方領土、竹島など、日本の国境の島々を取材する。著書に『日本人が行けない「日本領土」』(小学館)、『日本の国境を直視する1、2』(ベストセラーズ)、『日本人がもっと好きになる尖閣諸島10の物語』(宝島社)など。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20170127/dms1701271700008-n1.htm
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沖縄・与那国島のレーダーサイト(山本皓一氏撮影)