1:2017/01/27(金) 00:58:12.49 ID:
 【ソウル=名村隆寛】
 
 慰安婦問題に関する韓国の学術書「帝国の慰安婦」で、元慰安婦の名誉を傷つけたとして名誉毀損(きそん)の罪に問われた朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授の判決公判が25日、ソウル東部地裁で開かれ、同地裁は「中傷の意図があったとはいえない」などとし朴氏に無罪判決(求刑・懲役3年)を言い渡した。


 判決理由で裁判長は、「著書の一部表現には議論の余地があるが、公的事案を盛り込んだ内容が多く、幅広い表現の自由を容認する必要がある。歪曲(わいきょく)や捏造(ねつぞう)、虚偽の意図があったとは思えない」と述べた。

 また、「学術研究は既存の思想、価値に疑問を呈することにより発展していく」と指摘し、著書の正当性も認めた。さらに「(著書に)韓日両国の和解のための意図があることは否定できない」とした。

 朴氏の著書は韓国で2013年に出版されたが、元慰安婦の女性らが14年6月、「日本軍と同志的関係にもあった」などとの表現が名誉毀損に当たるとして朴氏を刑事告訴。ソウル東部地検が15年11月、在宅起訴した。

 無罪判決を受けた朴氏は、「裁判所が合理的な判断を示してくれた。きょうの判決は個人の問題ではなく、韓国社会が抱えたさまざまな問題を克服し、新たな社会を築き上げる転換点になると思う」と述べた。

 今回の判決をめぐっては、韓国に「表現・研究の自由」があるのかについて、日本など海外から高い関心が寄せられていた。

 ■「見せしめ」色濃く 裁判過程で社会的制裁

 在宅起訴から1年以上を経て無罪判決に至った、韓国の朴裕河(パク・ユハ)世宗大教授の著書「帝国の慰安婦」をめぐる刑事裁判で注目されたのは、起訴の理由となった「名誉毀損(きそん)」以前に、韓国に学術・研究・表現の自由があるのかという点と、名誉毀損の概念のとらえ方だ。

 日本など他の民主主義国家で、この手の問題が提訴され民事裁判になることはあっても、起訴を経て刑事裁判にまで至ることはまず考えられない。だが、韓国でそれは現実に起こった。

 「裁判に勝つのは奇跡のようなことだと思っていた」。判決公判を終え、朴氏はそう語った。それほど、無罪を勝ち取るまで困難が続いた。

 著書には、資料や元慰安婦ら関係者の発言の引用が数多く盛り込まれている。検察側が名誉毀損と指摘した“問題表現”の多くにこれらの引用部分も含まれている。ただ、引用であろうが、韓国の歴史認識の“常識”にそぐわない内容は批判や非難の対象とされる。

 「慰安婦=絶対的な被害者」という韓国内で形成された歴史認識、国民情緒に少しでも反することがあれば、真摯(しんし)な研究論文であれ、社会的な制裁を受け得るということだ。

 朴氏は、無罪判決までの1年数カ月の間、完全に“見せしめ”にされた。支援する知識人や研究者が声明を発表したものの、法廷では元慰安婦から罵(ののし)られ、韓国メディアの多くも否定的に伝えるなどした。

 昨年12月の求刑公判で朴氏が「もう魔女狩りのようなことは終わりにしてほしい」と涙声で語っていたのが印象的だった。韓国では判決以前に、世論の怒りの矛先を公衆の面前で見せしめにするような「懲らしめ」は珍しくない。だが、最終的には無罪判決が出た。

 無罪判決を受け、朴氏は「新たな韓国社会を築く転換点になると思う。その認識を共有できる方が多くなればいい」と語った。ただ、表現の自由の前に立ちはだかった国民情緒という韓国社会特有の“法”が、今回の判決を機に変わっていく保証はない。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20170126/frn1701261530006-n1.htm

>>2以降に続く)


判決公判を終えソウル東部地裁を出る朴裕河・世宗大教授=25日(共同)
 

「帝国の慰安婦」