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(イメージです。)
1:2017/01/27(金) 01:14:46.54 ID:
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尖閣諸島周辺で、海上保安庁(手前)は、中国公船の侵入を阻止している(山本皓一氏撮影)

 今、東シナ海の緊張が増幅している。

 ドナルド・トランプ米大統領は選挙中、「沖縄からの米軍撤退」を示唆した。それに影響されたのか、武装した中国海警艦などによる沖縄県・尖閣諸島周辺の領海侵犯や、中国軍機の飛来による自衛隊機のスクランブル(緊急発進)が増加した。

 2016年の中国公船による領海侵犯は延べ121隻、接続水域内入域は752隻に及んだ。昨年4~12月のスクランブルの回数は883回で過去最多を更新した。中国機が7割以上だ。

 トランプ氏が共和党の大統領候補に決まった直後の昨年8月には、接続水域に147隻、領海に23隻の侵入が確認された。200隻を超える中国漁船とともに、過去最多15隻もの中国公船が同時に接続水域や領海に侵入する事態も発生した。

 「8月15日に魚釣島上陸」という情報も飛び交い、まさに尖閣周辺海域は「開戦前夜」といった様相だったのだ。

 この時、米海軍は「動き回る要塞」との異名で知られる、世界最大級の強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」を投入した。それを察知した侵入漁船群は、クモの子を散らすように姿を消し、一触即発の危機を免れた。当然、海上保安庁の巡視船も尖閣を必死に守った。

 安倍晋三政権の日米同盟強化の成果だろう。民主党政権時代に起きた中国漁船体当たり事件などの対応とは雲泥の差だ。

 今月23日までで、中国公船37隻が接続水域に入域し、10隻が領海侵犯している。

 最近、尖閣海域の漁業調査に筆者を同行させてくれた石垣島のウミンチュー(漁師)から、悲鳴のような電話が入った。

 「尖閣の海には怖くてもう行けないよ。中国の海警艦が1時間も追いかけてくるのだから」

 彼の話を要約すると、海警艦は逃げる日本漁船を撮影して、「自国の領海から密漁船を追い払った」という国内向けのプロパガンダに利用しているようだという。

 さらに、日台漁業交渉で締結された尖閣海域の共同管理の合意で、台湾漁船が押し掛けているのだ。

 「向こうは大型船で乗組員も10人前後。はえ縄の長さも80キロ。こちらは10トン未満で2人乗り。縄も30キロがやっと。お祭りすれば(縄が絡まれば)、細い縄はズタズタにされる。漁具300万円分が吹っ飛ぶ」

 事実、クロマグロの漁獲高は半減した。台湾船が捕った魚の大半は中国へと売られる。中国資本の台湾漁船も多く、中国人の海洋民兵も紛れ込んでいるらしい。現在、尖閣の海に日本漁船の姿はない。

 こんな現状で、トランプ氏の対日、対中政策は不透明だ。だからこそ中国はさまざまな挑発の手を使って、「日米の絆」をシミュレートしているのだろう。

 早急な日米首脳会談が待たれる。

 ■山本皓一(やまもと・こういち) 1943年、香川県生まれ。日大芸術学部を卒業後、渡米。出版社を経て、フリーランスのフォト・ジャーナリストに。世界各国のルポルタージュや、湾岸戦争、ソ連崩壊、北朝鮮などをカバー。近年は尖閣諸島や北方領土、竹島など、日本の国境の島々を取材する。著書に『日本人が行けない「日本領土」』(小学館)、『日本の国境を直視する1、2』(ベストセラーズ)、『日本人がもっと好きになる尖閣諸島10の物語』(宝島社)など。

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