裁判 司法 

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:2014/05/05(月) 07:43:51.12 ID:
 その事実を知ったのは、関西にある大学内で開かれたシンポジウムでのことだった。朝鮮半島の日本統治時代に、戦時徴用された韓国人らが日本企業を相手取って起こしている個人補償訴訟を支援する立場からの議論の場だった。意見が全く異なる者として「どのような論理なのか?」を傍聴した。

 会場で配布された資料に目がとまった。「日本国憲法の平和主義への言及 2013年7月10日ソウル高裁判決」。新日鉄住金を相手取り元徴用工の韓国人4人が個人補償を求めた訴訟の差し戻し審で、ソウル高裁が同社に賠償金1億ウォン(約880万円)ずつの支払いを命じた判決文の内容だった。
 韓国での戦後補償をめぐる裁判で日本企業に賠償の支払いを命じた初めての判決だった。

 その判決の中で「日本国憲法に言及」とはどういうことなのか。弊社ソウル支局に依頼して確認できた。なんと、日本国憲法9条と前文の一部を判決文で引用し、賠償の根拠としていたのだ。

 ハングルの判決文の一部を和訳すると以下のような内容だ。

 「日本国憲法は、第9条で『日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する』と規定するなど、過去に日本政府が起こした侵略戦争の惨禍に対する反省に基づいて永久の平和を念願し、国際社会で名誉ある位置に立つことを憲法の価値に挙げている点に照らしてみると、人権を侵害する不法行為を犯した軍需企業にまで、その不法行為による損害賠償責任を事実上免除させようとする内容の法律その他の規範の効力を、その文言どおりに解釈するには日本国憲法の価値に符合する解釈ともみられない」

 判決文とはどこの国でも、回りくどい。要は、日韓基本条約で賠償請求権は完全に解決済みとされているが、日本は憲法でこのように謳(うた)っているのだから、その憲法の精神に反するようなことには効力はないから、賠償は免除されない-とのたまっているのだ。他国の憲法を根拠にする支離滅裂な論理展開。まさに噴飯ものだ。

 昭和40年の日韓基本条約の付属文書である日韓請求権・経済協力協定で、日本から5億ドルなど(当時の韓国の国家予算の約2年分)の経済協力が実施され、両国とその国民の請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決された」としている。日本は一貫してこの立場を堅持している。国際社会の「法の支配」からも当然だ。

 韓国での元徴用工らの日本企業に対する同種訴訟は5件ある。戦時中に日本企業に「強制連行」されたとする中国人労働者らの訴訟とも連携する動きがある。そして、中国ではついに、「商船三井」の貨物船戦時徴用をめぐる補償訴訟で約40億円の和解金を商船三井側が支払う事態に発展。対中国でも戦後補償は日中共同声明で「解決済み」だが、事実上の賠償が連鎖する恐れすらでてきた。

 日本国憲法施行から67年。不磨の大典はない。他国に利用されるような憲法は、国を滅ぼす。
(近藤豊和論説委員)

産経ニュース 2014.5.3 14:07
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140503/plc14050314070006-n1.htm