1:2017/01/01(日) 15:53:08.59 ID:


【ジュネーブ=笹沢教一】
 
 中国政府が日本の排他的経済水域(EEZ)の周辺などで海底地形の調査を行い、国際水路機関(本部・モナコ)の下部組織に対し、中国語による命名申請を2016年に活発化させていたことが明らかになった。


 海洋権益拡大に向け、中国は海上だけでなく、海底でも動きを一段と加速させている。

 この国際機関は「海底地形名称小委員会(SCUFN(スカフン))」。国際的に統一された海底地形名を定める機関で、12月21日に16年の各国の申請状況と登録結果を盛り込んだ最新報告書を公表した。

 それによると、中国国家海洋局は16年、前年の倍以上となる50件の中国語名申請を行っていた。うち16件は受理され、34件は「沿岸国との係争に発展する深刻な懸念がある」などの理由で受理されていない。

 受理されていない申請には、日本が鉱物資源開発などの権利を目指して国連大陸棚限界委員会に大陸棚延長を申請し、中国と韓国の反対で審査が先送りされている沖ノ鳥島からパラオにかけての「九州パラオ海嶺(かいれい)南部」内外の8か所、中国がフィリピンやベトナムなどと領有権を争う南シナ海のスプラトリー諸島周辺21か所が含まれていた。

 一方、日本に関係する海域で中国の主張が通った事例もある。12年には、日本のEEZと大陸棚に近接する沖縄県宮古島の南東450キロ・メートル地点で中国が申請した、中国語名の「日潭(リータン)海陵」「月潭(ユエタン)海嶺」「日昇(リーシェン)平頂海山」が受理され、登録された。

 中国が申請した海域の多くは公海にあたり、原則的には調査も命名も自由だが、日本が主張する大陸棚やEEZに近接し、日本側の調査範囲とも一部重複している。海洋調査関係者によると、こうした海域を調査する場合は調査の重複を避け、事故を防止するため、関係国に詳細な研究計画を提出し、事前調整するのが常識だが、中国は手続きを十分に踏んでいなかったという。

 海底地形の命名は国に関係なく発見者に権利があり、学術的利用を前提としている。ただ、06年に島根県・竹島の領有権を主張する韓国が韓国語名での命名に動いて政治問題化し、日本との協議後に申請を見送った経緯から、SCUFNは政治的に機微な提案は扱わない規定を設けた。

 一方的な海洋進出で日本などとの緊張を高めている中国は海底地形の研究分野でも、海洋利用や実効支配の根拠とする目的で調査や地名申請を活発化させている。日本の外務省幹部は「中国の主張の補強材料として政治的に利用される可能性はあるかもしれない。注視する」としている。

 海底地形名称小委員会(SCUFN=Sub―Committee on Undersea Feature Names) 上部機関の国際水路機関とユネスコ政府間海洋学委員会が選出した海洋地形や測量の専門家で構成され、2016年は日本、ドイツ、韓国、中国などの11人。議長はドイツの委員だった。地形名は、モナコか委員選出国のいずれかで年1回開かれる会議で承認されれば、ネット上のデータベースやグーグル・アースなどに掲載される。地形名には故人や調査船の名前、神話の出来事などが使える。

ソース:NEWSポストセブン<中国、海底の命名申請活発化…日本のEEZ周辺>
http://www.news-postseven.com/archives/20170101_481415.html