1:2016/12/07(水) 08:04:22.48 ID:
 「第一に人材。日本人技術者は、ものすごく欲しい」――。中国ディスプレー産業の業界団体、中国光学光電子行業協会液晶分会(CODA)で副秘書長を務める胡春明氏は、日本への期待を熱っぽく語る。中国でTFT液晶パネルの量産が始まってから12年。この間、シェアを下げ続けた日本メーカーに取って代わるように、中国メーカーが台頭した。しかし、中国メーカーが日本人技術者に向ける視線は今もなお熱い。

 矢継ぎ早の大規模投資によって、世界有数の“製造大国”に成長した中国のディスプレー産業。投資意欲は依然として旺盛で、世界シェア1位の座も射程に捉えた。しかし、大国の仲間入りを果たしたものの、中国のディスプレー産業は“もうからない”という大きな課題を抱えている。

 そこで、中国のディスプレー産業が次に目指しているのが、規模で圧倒するだけではなく、高付加価値品を開発できる力を身に付けた「高収益の製造強国」になることだ。しかし、技術力がなければ、製品の付加価値を高めることはできない。技術力という壁にぶち当たった中国メーカーが、救世主として強く期待するのが日本のディスプレー技術者である。

■中国版インダストリー4.0の先兵

 製造大国から製造強国へ。これは、中国製造業における国家レベルの10カ年計画「中国製造2025」の方針と一致する。

 「中国製造2025の重点分野に新ディスプレーを位置付けている」――。2016年11月に北京で開催された国際会議「ディスプレー・イノベーション・チャイナ2016/北京サミット」(主催:中国光学光電子行業協会液晶分会、日経BP社)。中国ディスプレーメーカーの幹部が居並ぶ前で、日本の経済産業省に当たる中国国家工業和信息化部の王威偉氏(電子信息司処長)は壇上から発破を掛けた。

 “中国版インダストリー4.0”ともいわれる中国製造2025の先兵を、ディスプレー産業が担う。製造強国になろうと挑む中国のディスプレー産業。その実像に迫るとともに、日本の技術競争力について考える。

■4台に1台は中国製

 今から12年前。2004年12月に、TFT液晶パネルの量産が中国で始まった。その後、中国では国を挙げてディスプレー産業の強化にまい進する。そして、現在では世界有数の製造拠点に成長、ディスプレーは中国の代表的なハイテク産業の1つとなった。

 2016年上期の世界市場シェア(出荷面積ベース)は、韓国に次ぐ2位の台湾とほぼ肩を並べる。第4位の日本を大きく引き離し、世界の3強の一角を占める格好だ(図1)。1位の韓国のシェアは37.3%。2位の台湾は27.6%、3位の中国の26.8%で、その差はわずか1%未満だ。4台に1台のディスプレーは中国の工場で製造・出荷されている。なお、4位の日本のシェアはわずか4.5%にとどまる。
 

図1 ディスプレー大国の仲間入りをした中国。中国のシェアは、韓国に次ぐ台湾にほぼ肩を並べる(資料:中国光学光電子行業協会液晶分会の資料)


 中国メーカーの影響力の拡大は、ディスプレーの応用市場別シェアからも見て取れる。2016年上期の世界市場における中国のシェアを見ると、スマートフォン用では36%、タブレット端末用では44%、液晶テレビ用では35%のシェアを持ち、フィーチャーフォン(従来型携帯電話機)用では66%に達している。

■過熱するディスプレー投資

 ディスプレーは典型的な設備産業である。設備産業の成長・発展に不可欠なのが、投資の継続だ。設備投資を継続できなくなると、成長・発展は止まってしまうのが宿命である。

 中国メーカーの設備投資は、依然として旺盛だ。2016~2020年の5年間に、中国のディスプレー産業には既に11件の投資プロジェクトがある。そのほとんどで、新工場の建設がもう始まっている(表)。これほどディスプレー投資に意欲的な国・地域は、世界中を見渡しても、中国の他にはない。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO10107500Q6A131C1000000/

>>2以降に続く)