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:2016/10/25(火) 06:02:37.95 ID:
 【フランクフルト=加藤貴行】
 
 独半導体製造装置メーカーのアイクストロンは24日、独当局の承認を得ていた中国投資ファンドの傘下入りが再審査になったと発表した。独当局が一度承認した買収を覆すのは異例。独政府の間では中国企業を念頭に外資による国内ハイテク企業の買収を防ぐ方策を導入すべきだとの議論が出ており、当局が買収の慎重姿勢に転じた可能性がある。

 アイクストロンは今年5月、中国の福建芯片投資基金(FGC)による買収で合意。FGCが独子会社を通じてTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株を6億7000万ユーロ(約760億円)で取得する計画で、アイクストロンの経営陣も賛同した。すでにFGCはアイクストロン株の約65%を取得している。

 アイクストロンは9月8日付で当局の買収の承認を得ていたが、同社は24日、承認を取り消し、再審査するとの通知を独経済エネルギー省から21日に受けたと明らかにした。

 独メディアによると、同省の広報担当は24日、今回の再審査について直接のコメントは避けたが、「ガブリエル副首相兼経済・エネルギー相はかねて、買収に開かれていない国への対処法を考えなくてはならないと指摘してきた」と説明。中国企業による買収が要因であることを示唆した。

 アイクストロンは発光ダイオード(LED)の成膜装置に強く、ドイツや英米に研究開発拠点を持つ。FGC傘下に入ってもこれらの拠点は残り、経営陣も続投する方針だった。

 独中は経済的な蜜月関係で知られるが、今年に入り中国企業によるドイツを代表する製造業の買収の発表が相次ぎ、技術流出を懸念する声が広がる。

 中国家電大手の美的集団が5月、産業用ロボット世界大手の独クーカの買収を発表した際には、ガブリエル氏が欧州企業による対抗買収を期待すると発言。対抗する企業は現れず、美的はクーカ株の9割以上を取得し、最終的に独当局も買収を認めた。ただ、独産業界には「中国側は自国企業が買収されにくい仕組みを残しながら、外国企業を買いあさり不公平だ」との不満も残った。

 国内では、ガブリエル氏らを中心に、競争力のある技術や雇用を国内に残すため、外資による独企業買収のハードルを上げる必要性を説く声が高まっている。

 今月には、中国の半導体大手が照明世界2位の独オスラムの買収交渉をしたとの報道もあった。企業側には潤沢な中国マネーのもとで成長を図る狙いがあるとみられるが、中国企業の買収攻勢が続き、独国内に警戒感が広がりやすい環境になっている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK24H4K_V21C16A0000000/
 
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