1:2016/10/18(火) 08:55:42.56 ID:
夏に「グーグルもできない成層圏90分飛行に成功した」として話題になった韓国航空宇宙研究院(航宇研)の太陽光無人機が倉庫で眠っていることが分かった。航宇研が最近まで製作した太陽光無人機は2機。このうち昨年初めて成層圏に到達した後すぐに降りてきた1機は大田(テジョン)航宇研の建物の内部に非公開展示中であり、最近成層圏を飛行した別の1機は解体し、倉庫に保管している。太陽光無人機の開発には2010年から最近まで政府研究開発(R&D)資金83億ウォンなど計150億ウォン(約14億円)ほど投資された。しかし政府の追加支援も航宇研自体の予算投入も計画にない。さらに多くの技術進展がなければ飛行機2機を飛ばすのに150億ウォンを使ったという批判を免れにくいとみられる。

航宇研は8月25日、大気が薄い高高度で太陽エネルギーだけで飛行する太陽光無人機(EAV-3)が高度18.5キロの成層圏で90分間飛行するのに成功したと発表した。当時、航宇研はEAV-3が世界で3番目に高度18キロ以上の成層圏に入った太陽光無人機だとし、長期滞空太陽光無人機分野で技術的優位を確保することになったと発表した。また、グーグルとフェイスブック、ロシア、中国などが太陽光長期滞空無人機の開発競争をしているが、まだ成層圏飛行には至っていないとし、航宇研の技術優位を強調した。当時「太陽電池とバッテリーの効率が高まれば」という前提を付けたが、航宇研は「成層圏で数カ月滞空する太陽光無人飛行機を利用し、違法操業をする外国漁船の監視や農作物の作況観測をより容易にできるだろう」と広報した。

先端技術を自慢した航宇研の太陽光無人機がなぜ倉庫の中で眠っているのか。航宇研側は「太陽光無人機の核心はバッテリーにあるが、バッテリー技術で壁にぶつかった。研究開発を続けたいが政府の予算支援もこれ以上得られず、残念な点が多い」と伝えた。

しかし航宇研は最初からバッテリー技術の開発はしなかった。太陽光で無人機の動力を作る太陽電池は技術力世界1位の米国のサンパワー、電気を貯蔵するバッテリーは米電気自動車テスラが搭載している日本のパナソニックの製品を使用した。7月に世界で初めて地球を一周したスイスの1人乗り太陽光飛行機ソーラー・インパルス2は韓国中小企業コカムのリチウムポリマーバッテリーを使った。

さらに航宇研の太陽光無人機は地上で従来の電気システムプラグでバッテリーを充電した後、その力で成層圏まで上がり、日が沈む前に下降を始めたことが確認された。航宇研無人機の最終目標を考えると、成層圏で数カ月間にわたり滞空するためには昼に太陽電池で生産した電気をバッテリーに備蓄し、太陽光がない夜に利用しなければならない。

ある研究所の関係者は「バッテリーや太陽電池を開発したわけでもなく太陽光無人機セット技術を完成したわけでもない状態で研究開発を終了したのは、国家研究開発費を浪費した典型的な事例」とし「太陽光無人機の性格上、航宇研が独自の技術で開発できないのなら、いくつかの関連研究機関が共同で参加して研究するべきだった」と批判した。

未来創造科学部のクォン・ヒョンジュン巨大公共研究政策課長は「太陽光無人機事業は未来部の資金で支援されたりしたが、国策研究課題ではなく航宇研独自の研究開発事業」とし「航宇研院長の判断で終了した事業を政府があれこれと関与することはできない」と述べた。またクォン課長は「航宇研はバッテリーでなく飛行体を開発するところ」とし「超軽量構造物設計技術、高高度プロペラ設計技術など航宇研が目標にしたものはすべて遂行したと理解している」と話した。

航宇研の無人機のように特別な成果なく研究開発を終えたり縮小された事例は政府関連の研究院に多い。さらに大統領が主宰する科学技術戦略会議でさえ国内総生産(GDP)に対する研究開発投資比率は世界最高水準だが、これによって未来の産業は創出されていないという指摘がある。
 
http://japanese.joins.com/article/738/221738.html
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8月、全羅南道高興航空センターで離陸するEAV-3。(写真=韓国航空宇宙研究院)