1:2016/09/25(日) 07:30:23.66 ID:
 回復の兆しを見せていた韓国の輸出が予想外の3つの悪材料に直面している。サムスン電子の「ギャラクシーノート7」のリコール(回収・無償修理)、現代・起亜自動車のストライキ、韓進海運問題による物流混乱という大波が押し寄せている格好だ。

 昨年1月から過去最高の19カ月連続マイナスとなった輸出は、8月にようやくプラスに転じたが、9月に悪材料が重なり、既に輸出は低迷傾向だ。さらに中国の景気低迷など海外の悪材料も依然存在しており、今年下半期の輸出戦線全体に暗雲が立ち込めている。

■9月1-10月の輸出、3.6%減

 韓国の産業通商資源部(省に相当)と関税庁によると、9月1-10日の輸出は135億3100万ドルで、前年同期を3.1%下回った。しかし、これは3つの悪材料が反映される以前の数字だ。

 ギャラクシーノート7のバッテリー爆発事故をめぐっては、サムスン電子が2日に全面リコールを発表し、問題が収拾されるかに思えた。しかし、米連邦航空局が8日、同製品の航空機内での使用中止を勧告し、9日には米消費者安全委員会が「使用中止」を求めたことで波紋が拡大した。韓国の携帯電話端末輸出は、9月1-10日に前年同期を21.3%下回った。輸出用のギャラクシーノート7は戦略機種の当初生産分で韓国での生産割合が高いという。サムスン電子が米国に輸出したギャラクシーノート7は100万台で、うち40万台が慶尚北道亀尾工場で生産されたものだった。さらに、ギャラクシーノート7の世界販売が打撃を受ければ、完成品だけでなく、関連部品の輸出も連鎖的に減少しかねない。

現代・起亜自のストライキによる悪材料も解消していない。労使間の賃金交渉は秋夕(中秋節)の連休後も4日間続いている。産業通商資源部は現代・起亜自労組のストライキで生産に支障が出て、9月第1週に1億5000万ドルの輸出減となったと推定した。ストライキが長期化した場合、減少幅はさらに拡大しそうだ。先月は自動車業界のストライキで6万5700台の生産に支障が出て、輸出が9億2000万ドル減少した。

 韓進海運の法定管理(会社更生法適用に相当)による輸出への影響も解決の糸口が見えない。同社に代わる船舶が確保できず、輸出ができなかったり、納期が遅れたりする企業が続出している。20日までに韓国貿易協会の輸出貨物物流支障申告センターが集計した輸出への影響は1億5000万ドルに達する。輸出業者の申告は義務ではないため、被害規模はそれをはるかに上回る可能性がある。さらに9月は秋夕連休で昨年よりも操業日数が0.5日少ないことも輸出実績に影響しそうだ。操業日数が0.5日減少すれば、輸出減少額は約10億ドルするというのが政府の予想だ。

■輸出回復困難ならば内需刺激策を

 韓国政府は当初、8月から輸出が回復傾向に転じると予想していた。今年初めに1バレル=20ドル台まで下落した原油価格が40ドル台にまで反発し、輸出単価が上昇したことに加え、世界的に鉄鋼・石油化学分野で構造調整が進み、供給過剰の解消が進んだからだ。しかし、今月に入り、悪材料が相次ぎ、バラ色の見通しは消えた。

 韓国貿易協会のムン・ビョンギ首席研究員は「このままでは9月の輸出は減少が確実だ。悪材料が早期に解消しなければ、輸出減少率は2桁に達することもあり得る」と指摘した。

 産業研究院のチョ・チョル主力産業研究室長は「輸出が短期間に回復しない場合に備え、内需を刺激し、輸出不振を挽回する方策を探る必要がある」と呼びかけた。
 
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