1:2016/09/15(木) 06:42:42.98 ID:
 猛毒性がある加湿器殺菌剤を10年も販売しておきながら、いまだに本社の責任はないと主張する英国企業オキシー・レキットベンキーザー。虚偽の書類で車両販売許可を受け、燃費問題が明らかになっても、損害賠償どころかリコール(回収・無償修理)すら渋る独フォルクスワーゲン。毎年韓国で1兆ウォン以上を売り上げながら、税金を全く支払わず、地図情報を無料で提供しろと脅しをかける米グーグル。最近世界的に有名な企業の態度が示し合わせたかのように韓国人を憤らせている。

 過去にも海外のブランド業者や自動車業者が韓国で法外な値段で商売を行い、問題になったことはあった。そのたびに我々はそれをブランドに熱狂する薄っぺらい消費文化や法規制の不備のせいにしてきた。韓国の内需市場はあまりに小さいためどうしようもないという愚痴も聞かれた。最近の事件でもそういう側面は少なくなかった。

 しかし、韓国は今や経済規模世界10位、貿易規模世界6位だ。韓国の消費者の趣向を試験台にして、世界市場での成功を狙う世界的企業も多い。韓国の地位はこれまでとは大きく異なるのだが、それでも外国企業の態度は改善するどころかひどくなった。それには納得できない。

 別の観点が必要だと感じたのは、昨年秋にグーグルの親会社、アルファベットのエリック・シュミット会長と会ってからだ。シュミット会長は1時間以上に及ぶ韓国メディアとの懇談の半分近くを韓国の政治、経済、社会に関する討議に割いた。自分やグーグルに対する質問には既知の答えを繰り返すか、回答を避けた。税金、社会貢献といった企業の役割を追及すると厳しい表情で、「韓国の法を守り、義務を果たす」と答えた。

 企業経営者が現地事情を把握しようと努力し、経営戦略を隠そうとするのは当然だ。「法律を守る」と言っているのだから、それ以上何を言う必要があるのか。韓国が自由化、貿易の開放という原則を守るため、外国企業との通商摩擦をできるだけ避けてきたことは否定できない。1990年代以降、市場開放で韓国企業が外国企業と競争し、世界的な企業に成長したことも事実だ。「法律に反しなければ問題ない」というグーグルの態度は制限なき自由貿易時代には不文律のように思えた。

 とはいえ、世の中は既に変わった。欧州連合(EU)がグーグルを独占禁止法違反の疑いで調査し、無料で欧州メディアのニュースを使用したとして、使用料の支払いを要求した。米国は国家安全保障を口実に中国による半導体、バイオ企業の買収を妨害した。中国とインドですら自国産業保護のための垣根を高めている。以前は口にすることもなかった貿易障壁を持ち出しているのだ。

 これまで韓国の政府・財界は主に保護主義的な流れで輸出企業が被害を受けた場合、どう対処すべきか悩んできた。韓国に進出した外国企業には「開放と自由」を保障するとして、不公正取引や不当行為の論議を呼んでも手を触れないように慎重を期してきた。国家安全保障にかかわる地図持ち出し問題をめぐっても、世界的な革新、企業活動の自由を主張する声の方が優勢だ。貿易で生計を立てる韓国にとって「開放と自由」は最高の価値観には違いない。しかし、その限界も明確にしておく必要がある。世界的な通商秩序が変化する中、韓国だけ過去にとどまるならば、外国企業はこれからも韓国を甘く見るだろう。