1:2016/09/03(土) 22:22:59.68 ID:
 韓国の新聞に興味深い記事が出ていた。在韓米大使館が地元の鍾路(チョンノ)警察署に書簡を送り、大使館の敷地100メートル以内でも集会ができるとしたソウル行政裁判所の最近の判決に「憂慮」を表明し、大使館の施設や職員に対する安全を保証するよう要請したという(2日付、ハンギョレ新聞)。

 報道によるとこれは、ある反米・親北団体が米大使館周辺での集会を禁止している地元警察を相手取って行政裁判所に不当だと訴えたのに対し、同裁判所が集会・デモ関連法の例外条項を挙げて「大規模な集会やデモに拡散する恐れがない場合は許される」との判決を出したことに対する不満からだとか。

 行政裁判所は行政当局の措置に対する国民の異議を受け付けるところだが、鍾路警察署は判決に不服で上訴しており、その後も米大使館周辺での集会は引き続き禁止しているという。

 報道は左翼系の反政府紙らしく、「集会許容の判決を無視する米大使館」「内政干渉」などと米大使館を非難しているが、これは大使館前の不法、不当な慰安婦記念像や頻繁な反日集会やデモに悩まされている日本大使館にとっては大いに参考になる話だ。

 同じく地元の鍾路警察署はこれまで、日本大使館周辺については慰安婦関連などの反日集会を「記者会見」という名目で黙認してきた。集会に集まる人々自身が「デモ」といい、ときには千人を超える大規模になるのに相変わらず黙認を続けている。明らかに日本を差別しているのだ。

 米大使館関係では、米軍車両事故で犠牲になった少女の記念碑が反米団体の手で大使館近くの路上に無許可で設置されたことがあるが、数カ月後、「歩行に支障がある」との理由で地元区役所が撤去している。

 ところが日本大使館前の慰安婦像は当初、無許可でしかも外国公館に対する侮辱という国際法違反なのに放置されたままだ。明らかに“日本差別”である。

 昨年、米大使の顔を切りつけ重傷を負わせた反米・反日活動家は、以前に講演中の日本大使に投石し大使館員を負傷させている。米大使館は今回の書簡で、米大使館周辺の集会やデモについて「大使館業務に支障を与え、出退勤の館員に不安感をもたらす」と注文をつけているという。

 ソウルの日本大使館と米大使館は距離的に近い。当然、米大使館の方が規模が大きく国際的なテロ対策もあって警備ははるかに厳重だが、それでも外国公館に対する“法治”に懸念と憂慮を示しているのだ。

 日本大使館前の不法な慰安婦像の存在とそれをめぐる反日集会やデモが大使館業務に支障を与え、大使館員の出入りなどに不安をもたらしてから久しい。

 これを機に日本大使館と米大使館は手を組んで、韓国政府や社会に対し国際基準に合った法治意識の向上を訴えてはどうか。少なくとも大使館周辺の安全と静謐(せいひつ)を求める“日米共闘”は可能だろう。さらに韓国では最近、北朝鮮がらみで中国に対する不満や批判が高まっているので、場合によっては中国大使館も巻き込んではどうか。

 日本大使館前の日常的な反日風景は、日本相手なら何をやってもいい「反日無罪」という名の日本への甘えであると同時に、国際的な日本差別である。差別には大いに抗議していい。
 
http://www.sankei.com/world/news/160903/wor1609030022-n1.html
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ソウルの日本大使館前の慰安婦像(名村隆寛撮影)