1:2016/08/16(火) 18:47:20.39 ID:
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15日、島根県の竹島に上陸して万歳する韓国の国会議員ら(AP)

 【ソウル=名村隆寛】
 
 韓国で日本の朝鮮半島統治からの解放記念日に当たる「光復節」の15日、朴槿恵(パク・クネ)大統領が記念式典の演説で経済低迷の克服を中心とした国内問題について国民に切々と訴えていたころ、竹島(島根県隠岐の島町)には韓国の超党派の国会議員団が上陸。光復節らしい“愛国のパフォーマンス”を韓国民に披露したが、若い世代からはさめた見方も出ている。

 朴大統領の演説は、日本との歴史がからむ記念日にも関わらず、「日本」への言及が1分間にも満たず、大半が国内問題という異例のものだった。朝鮮日報(電子版)は、両国関係への言及はわずか50字で昨年の847字から激減したことを伝えている。

 演説の時間の多くを割いて訴えるほど、景気低迷や雇用悪化など韓国の経済状況が悪いことを大統領自ら強く懸念していることが嫌というほど伝わってきた。

 朴大統領は、韓国の若年層の間で、「地獄のような国」を意味する造語など、自国を卑下するような言葉が流布している風潮に関連し、「自己卑下や悲観、不信や憎悪は絶対に変化や発展の原動力にはなり得ない」とも訴えた。

 裏を返せば、韓国の特に職にありつけない若者の間では“愛すべき韓国”をさげすむような、後ろ向きな考えがはびこっている。

 こうした暗い国の雰囲気を払拭するかのように朴大統領は国民に奮起を促すような演説をしたわけだが、その数時間前に竹島に上陸した議員団は、ここぞとばかりに竹島で気勢を上げた。

 ヘリコプターで島に上陸した与党セヌリ党の羅卿●(=王へんに援の旧字体のつくり)(ナ・ギョンウォン)議員を団長とする「国会独島(竹島の韓国での呼称)訪問団」(計10人)は、「独島警備隊」を激励し、島内の警備施設などを視察。竹島を訪問した市民団とも現地で懇談した。

 一行の竹島上陸について、日本政府は韓国政府に対し事前に抗議していた。にもかかわらずの上陸である。「韓国の領土を韓国人が訪問することに何の問題があるのか」「(日本の抗議は)無礼だ」などと、得々とした表情で島内部を見学していた。

 一方、島で警備に当たっている人々も国会議員の先生方が来られていろいろ大変なようだった。光復節の“大物接待”が、すでに竹島に駐在する人々の任務の一つになっているかのようだ。また、議員団を乗せて竹島を往復したヘリの燃料費もバカにならなかっただろう。

 国民を元気づけようと務めた朴大統領の演説に比べれば、議員団の竹島上陸は、手軽で分かりやすい政治パフォーマンスといえる。

 しかし、韓国国内では声を大にしての批判はないものの、議員団による竹島上陸をやはり、「白々しい政治ショー」と受け止める冷めた見方も少なくない。大統領が演説で触れた、韓国を卑下し韓国と自分の将来を悲観する若年層の間で、特にこうした受け止め方が強いようだ。

 「独島訪問もいいけど、僕の仕事を一緒に探してくれたほうが、よっぽどうれしい」。

 就職浪人を数年続けているという20代後半の男性の言葉だ。韓国の将来を真剣に憂う国会議員がいるならば、来年の光復節に竹島には行かず、若者の就職先を一つでも多く作ろうと、人知れず頑張っている政治家が増えていることを望む。
 
http://www.sankei.com/world/news/160816/wor1608160024-n1.html
http://www.sankei.com/world/news/160816/wor1608160024-n2.html
http://www.sankei.com/world/news/160816/wor1608160024-n3.html