1:2016/07/03(日) 12:19:57.75 ID:
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朝鮮通信使顕彰碑の完成を喜ぶ中沢住職(左)と松原理事長

 江戸時代に朝鮮王朝から派遣された外交使節団「朝鮮通信使」が訪れた新宮町相島(あいのしま)に、地元・神宮寺の住職中沢慶輝さん(76)が自費で通信使の顕彰碑を建立し、2日、お披露目式があった。
日韓の民間団体が通信使関連資料の「世界の記憶」(世界記憶遺産)登録を共同申請しており、中沢さんは「小さな島が平和外交の舞台になったことを後世の人々に伝えたい」と建立した思いを語った。

 通信使は江戸への行き帰りに相島に11回立ち寄り、福岡藩から大がかりな接待を受けた。世界の記憶に登録申請された資料には、第11次通信使が島に23日間滞在した時の詳細な記録(黒田家文書)が含まれる。

 顕彰碑の碑文は「朝鮮通信使乃島 誠信交隣」。4年がかりで日韓共同申請を実現した団体「朝鮮通信使縁地連絡協議会」の松原一征理事長(71)が、中沢さんが所属する「相島歴史の会」の要請を受けて揮毫(きごう)した。「誠信交隣」とは通信使に同行した対馬藩の儒学者雨森芳洲(あめのもりほうしゅう)が唱えた「互いに欺かず、争わず、真実をもって交わる」という外交理念を表す言葉だ。

 式に出席した松原理事長は「朝鮮通信使を江戸時代の出来事に終わらせず、世界の記憶に登録できれば、紛争が続く世界各地に誠信交隣の精神を広げる大きな意義がある」と、登録に向けた意気込みを語った。

=2016/07/03付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_sougou/article/256131