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:2016/05/15(日) 09:33:39.97 ID:
韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は先週、イランを訪問した。経済的に大きな成果を上げたという。

バランスシートに一喜一憂するのではなく、着実に取り組むべき事柄だ。国家元首(大統領)による海外訪問が最近増えているのは、国際社会での韓国の重要性が高まっていることを示す指標とも言えるだろう。しかし、飛行機でわずか2時間という近さにもかかわらず、韓国の国家元首が訪問できない外国がある。「訪問できない」のではなく、「しないことを選んだ」と言うべきだ。

それは韓国がかつて「自由中国」と呼んだ台湾だ。国際社会で台湾は国でありながら国ではない特異な存在だ。1971年に国連は台北ではなく北京の共産党政権を唯一の中国と認定した。それ以来、台湾は国連から締め出された存在となった。

せいぜい中台による「両岸体制」または「1国2制度」の枠組みで「国の中の外国」という存在と化した。その実態は世界の戸籍簿には載っていない人口2400万人の島だ。

台湾の小説家、呉濁流はかつて、自身の祖国を「アジアの孤児」と自嘲した。台湾は1895年に戦争に敗れた清がまるで捨てるかのように日本の手に渡した島であり、それ以前も以降も侵略者、搾取者が次々と「美麗島(美しい島という意の台湾の呼称)」を蹂躙(じゅうりん)し、温かい手を差し伸べる者は全くいない孤独な存在だった。

10月24日の国連デーは1970年代初めまで韓国の国家記念日だった。48年8月、国連は誕生したばかりの大韓民国を直ちに承認し、6・25戦争(朝鮮戦争)が起きると、軍隊を派遣し、韓国を守った。国連デーには国民学校(小学校)の児童らが国連安保理の常任理事国である「自由中国」の蒋介石総統宛てに感謝の手紙を書いた。蒋介石総統の恩を称えもした。日本による植民地支配期に国を奪われた韓国の亡命者が主権回復を夢見た上海、重慶の臨時政府を支援したのも蒋介石だった。

49年8月には最初の国賓として韓国を訪れ、激励の言葉をかけ、李承晩(イ・スンマン)大統領も戦争が終わるや、53年11月に台北を訪れた。両国はそんな関係だった。

国際政治には永遠の同盟国も永遠の敵もない。大韓民国も92年、「自由中国」と断交し、中共」と国交を正常化した。大勢に従ったやむを得ない選択だったとしても、その過程は非情なものだった。しかるべき予告も説得もなく、了解を求めることもなかった。かつて韓国で流行した典型的なメロドラマを連想させる冷酷さで一貫していた。

司法試験に合格した田舎の青年が裕福な家に婿入りし、これまで心と体をささげて支えてくれた故郷の娘をむげに捨てたようなものだ。現在に至るまで鎮まらない台湾国民の怒りと裏切られたという思いにはそれなりの理由がある。

「たとえ許しても、決して忘れはしない」というのが、台湾国民の胸中に秘められた思いだ。

歳月は流れた。歴史は浮沈を繰り返しながらも前へ進む。当時は「国父」として尊敬された両指導者に対する後世の評価も分かれた。しかし、少なくとも強い反共国家の建設に貢献したという功労は忘れるべきではない。

今でも韓国にとって台湾は大切な存在だ。感情的な過去のせいではなく、国際政治で非常に役立つカードとなり得るからだ。国際社会は日に日に強まる中国の覇権主義にブレーキをかけるカードを確保するのに苦心している。中国と国境を接する14カ国に共通する恐怖でもある。

中国の隣国との絆の必要性は切実だ。中国もそうした「夷狄(いてき)の合唱」を恐れている。

国の分断、そして民主化と経済成長の同時実現、自由主義反共国家――。あらゆる点で台湾は韓国と同質性が高い国だ。学者たちが分類する通り、「中国初の自由民主政体」と言える。それゆえ、韓国と同調し、連帯できる余地は大きい。

より大きな国際政治の構図から見れば、南北韓の統一は大陸中国の台湾とう両岸の統一問題ともつながっているかもしれない。

台湾政治の核心は大陸にルーツを持つ国民党と土着勢力を基盤とする民進党の争いだ。1月の総統選で若い世代の絶対的な支持を受けた民進党が勝利し、議会と政府を同時に掌握した。5月20日には蔡英文新総統が就任する。韓国政府がどのような形で適切な関心を示すか気になる。

これまで韓国政府は台湾をあまりに冷遇してきた。独立国の自尊心が感じられないほど中国政府の視線を気にした。今からでも独自の台湾政策を立てるべきだ。たとえ正式な国交がない状態でも十分に対処の余地はあるはずだ。

2016/05/15 06:04
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