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(イメージです。)


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:2016/04/30(土) 11:30:53.68 ID:
 ワシントンの外交政策論壇は国際情勢の今を敏速に映し出す。各国の学者や政治家の見解が論文その他の形で常に公表され、論議を広げるからだ。

 その中で顕著なのは、安倍晋三政権の対外政策への評価が米国だけでなくアジアの多数の国々でも急上昇していることである。日本の野党や「権力の監視」を自任する一部メディアの対応とは正反対の注視すべき現実だといえよう。

 アジア研究が主眼の「ワシントン東西センター」は「モディ首相のインド未来図の中の日本」という論文を紹介した。筆者はインドの「防衛分析研究東アジアセンター」の研究員ティトリ・バス氏で、モディ首相のインドの安全保障や経済の長期発展構想では日本が死活的に重要な部分を占めているという趣旨だった。

 女性学者のバス氏は、安倍首相の昨年12月のインド公式訪問で両国が結んだ防衛協力協定のインド側への実益を強調し、経済面ではインドのインフラ建設や製造業発展に日本の投資や援助が欠かせないことを指摘した。その上で安倍首相の戦略志向へのモディ首相やインド各界の強い敬意や信頼を力説していた。

 ワシントンの大手シンクタンク「戦略国際問題研究所」(CSIS)のフォン・グエン研究員は「東南アジアは日本の安倍ドクトリンの旋律に協調する」と題する論文を発表した。グエン氏はベトナム系米国人の女性学者で、東南アジア諸国の米国や中国への政策などを研究してきた中堅専門家である。

 グエン氏はいまの日本が「東南アジアで絶大な人気を保つ」と強調し、その理由を主に安倍外交に帰して次のように述べていた。

 「安倍首相は東南アジア諸国と緊密な安全保障協力を積極的に築き、この地域での日本の影響力を堅固にした。とくに南シナ海で中国との領有権紛争を抱えたフィリピンやベトナムといった国との安保協力に重点をおいたが、同時にラオスや東ティモールという小国との関係も強化してきた」

 「安倍首相は日本が東南アジアで年来築いてきた経済基盤の上に確固たる地政学的な土台を構築しようとしている。そのために米国との防衛関係を強めながらも、同時に東南アジア諸国が安保面で相互連帯を強化できるよう支援してきた。この新関与政策は安倍ドクトリンと呼ぶべきだ」

 肝心の米国でも安倍政権への超党派の評価が一段と高くなった。日米同盟の堅固さや円滑さは近年の歴史でも最高に近くみえる。安倍政権下で安全保障関連法が施行され、米側が長年、期待してきた集団的自衛権解禁が実現したことへの歓迎はとくに強い。

 そんな現状を反映した論文が「太平洋フォーラムCSIS」から発表された。米海兵隊出身の日米同盟専門家グラント・ニューシャム氏の「安倍首相を在任中に享受しよう」と題する論文だ。

 この論文は安倍首相を「戦後の日本でも最も行動的な防衛政策、最も積極的な外交政策を推進する首相」と称賛しながら、もし安倍氏が退陣すれば、また内向きの平凡な首相に逆戻りするという事態も米側は想定せよと警告していた。

 米国からアジアに広がるこの種のいまの日本観は、日本の野党などには「不都合な現実」なのだろうが、国際的な現実であることは否定できない。
 
(ワシントン駐在客員特派員)
 
ソース:産経ニュース【緯度経度】日本野党の「不都合な現実」…安倍外交に米・アジア共鳴「東南アジアでは絶大な人気」 古森義久
http://www.sankei.com/column/news/160430/clm1604300008-n1.html