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(イメージです。)


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:2016/02/02(火) 20:56:02.81 ID:
 中国からの資本逃避(キャピタルフライト)が加速している。昨年の流出額は「過去最悪」の1兆ドル(約121兆円)に達し、世界最強の投資家、ジョージ・ソロス氏の「ハードランディングは不可避」との警告が現実味を増す。日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁からは「資本規制」の実施を突きつけられるが、この「禁じ手」を導入すれば人民元の国際通貨化やアジアインフラ投資銀行(AIIB)など習近平政権の構想も破綻しかねない。

 中国からの資本流出額が昨年末に急増し、2015年全体で1兆ドルに達したと報じたのはブルームバーグ。流出額は14年の1343億ドル(約16兆2600億円)の7倍余りにふくらみ、06年からのデータ推計以降、過去最悪だという。同時に人民元に対する弱気心理も広がっており、輸出企業がドル資金を人民元に替えずに保有を続けるなど「人民銀の外貨準備に減少圧力がかかっている」とエコノミストの分析も紹介している。

 資本流出の加速は、富豪で世界的投資家のソロス氏が何度も言及してきた中国経済の危機を裏付ける結果となった。「中国経済失速の影響は08年のリーマン・ショック級」と述べているソロス氏は、世界の投資家や経済関係者が注目する世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でも「中国経済のハードランディングは不可避で、世界的なデフレに陥る恐れがある」と警鐘を鳴らし、中国などアジア通貨の「空売り」を宣言した。

 この指摘に逆上したのが人民日報だ。中国への海外直接投資は急速に伸び、消費者物価の伸びは緩やかだとして、
「中国経済は絶対にハードランディングしない」と反論、国内総生産(GDP)に対する債務比率は300%に達しているとの観測についても「根拠のない憶測で理解できない」とした。

 「中国共産党の喉と舌」と呼ばれる人民日報がここまで必死なのは、ソロス氏が米経済誌フォーブスの15年版世界長者番付で29位の242億ドル(約2兆9300億円)を持つ富豪だからというだけではない。

 ソロス氏は1992年に英国の通貨ポンドを大量に売り浴びせて巨額の利益を上げ、「イングランド銀行(中央銀行)を打ち負かした男」と呼ばれた。97年にはタイのバーツなど東南アジアの通貨を空売りし、アジア通貨危機の引き金を引いたことが市場関係者の記憶に新しい。

 今回危機を迎えた中国当局が、資本流出と、表裏一体である人民元暴落を止めることは容易ではない。人民元の買い支えるためにドルなど外貨を売ると外貨準備はますます減り、これを警戒する投資家は資本流出を一段と加速させるためだ。

 中国危機が世界市場の足を引っ張るなか、個人的見解としたうえで、「資本規制が為替相場の管理に役立つ可能性がある」と提言したのが日銀の黒田総裁だ。英紙フィナンシャル・タイムズも社説で「唯一の選択肢は、(資本流出の)圧力が和らぐまで資本規制を強化することだ」と黒田総裁に同調した。曲がりなりにも自由化を進めようとしてきた中国だが、資本流出も人民元安を止めるには、海外への投資や送金を制限するしかないというわけだ。

 ブルームバーグによると、すでに中国人民銀行(中央銀行)は、香港で業務をしている中国の一部の銀行に対し、オフショア(本土外)人民元の貸し出しを停止するよう指導したという。

 ただ、これで大恥をかくことになるのが人民元が国際通貨であると事実上認定した国際通貨基金(IMF)だ。

 特別引き出し権(SDR)の構成通貨に人民元の採用を決めたのは、「自由に交換可能である通貨」であることが大前提のはずだが、資本規制されている通貨を使おうとする国が果たしてあるのかは疑わしい。

 さらには、AIIBを通じて人民元を幅広く流通させようという目論みも水泡に帰す恐れがある。

 元内閣参事官で嘉悦大教授の高橋洋一氏は、「資本の自由化や国有企業改革は中国の一党独裁体制を揺るがすものだ」と指摘しており、社会主義と資本主義を無理やり両立させようという習政権の矛盾が一気に噴き出した形だ。

zakzak 2016.02.02
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160202/frn1602021140001-n1.htm