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(イメージです。)


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:2016/01/28(木) 22:44:14.57 ID:
 中国で“バブル経済”の象徴的存在だった海外の高級ブランド店をめぐる経済環境が急速に悪化している。上海の有力ネットメディア「澎湃」によると、2016年には中国国内の高級ブランド店舗の95%までが閉店を余儀なくされるという。

 中間所得層の消費パワーは拡大しているが、中国国内ではあまり購入せず、香港やマカオも含む海外旅行先で購入するケースがどんどん増えている。円安と元高が背景の日本での「爆買い」影響も小さくない。

 中国ではバッグや靴、スーツなど海外の高級ブランドは「ぜいたく品」と扱われているが、昨年910億ドル(約11兆円)に上った中国の消費者によるぜいたく品の購買総額のうち、実に78%の710億ドルまでが海外でのお買い物だった。

 為替レートのなせるワザに加え、中国国内で輸入品にかかる関税の高さも問題だ。ぜいたく品となる海外ブランド品は少なくとも20%の関税がかかり、さらに消費税にあたる税金が中国内で17%付加される。単純計算で40%近い割高だ。

 例えば日本国内で68万円前後の値札がついている仏高級ブランド「ルイヴィトン」製の女性用ハンドバッグとほぼ同一の商品に、上海市内の店舗では税込みで5万元(約90万円)で売られているという。中間所得層なら、その日中の価格差を旅行代金に充てた方が得だと考えるのは自然だ。

 海外旅行が中国の中間所得層にいまほど普及していなかった4、5年前までは上海や北京などの大都市で高級ブランド店は、富裕層の顧客で込み合っていたものの、今では「海外旅行に行く前に商品を見比べておくショールーム」(上海のOL)に成り下がった。

 自由貿易港の香港や円安の日本は人民元の札束を握りしめた中国人からみて実に魅力的なショッピング地にみえる。同時にグルメや景勝地の観光などが楽しめる旅行がセットなら、財布のヒモは緩みっぱなし。

 一方、上海や北京など大都市の一等地に建つ高級ブランド店舗では、年に20~30%も高騰する不動産の賃貸料に耐えかねている。

 さらに店舗従業員の人件費は、業績に関係なく政府が一方的に10~15%の賃上げを指導するため、「売り上げがほとんど伸びない中で、中国で高級ブランド品でリアルの店舗を維持することはもはやムダ」(業界関係者)な情勢だ。実用的な衣料品や日用品、家具など、中国製を国内で調達できて価格競争力のある商品を扱う店舗以外は、急速に採算がとれなくなった。

 中国共産党機関紙、人民日報も厳しい数字をつきつけている。2014年から15年に中国人の海外での消費総額は年平均25.2%も増加した。これは同じ時期の国内社会消費総額の伸びの2倍に当たるという。

 ぜいたく品のみならず日本での日用品や常備薬などの購入も含め、14年の海外での消費額は1648億ドルになった。海外から訪れる消費者の購買パワーで中国人が世界の10%以上を占めて3年連続で世界1となったと同紙は書いた。15年は延べ1億2000万人の中国人が海外で1940億ドルを消費したとみられる。

 製造業の衰退で「世界の工場」の維持が難しくなっている中国は、なんとか国内消費を盛り上げて「世界の市場」として経済成長エンジンを確保したいところだが、頼みの中間所得層の海外詣では続きそうだ。

(上海 河崎真澄)
産経ニュース 2016.1.28 11:00
http://www.sankei.com/premium/news/160128/prm1601280005-n1.html