1:2016/01/26(火) 16:49:12.43 ID:
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スマホ事業で苦戦するサムスン電子。果たして「イノベーションのジレンマ」に陥ったのか(AP)

 韓国サムスン電子の2015年10~12月期(第4四半期)決算(暫定値)は、営業利益で前年同期比15%増の6兆1000億ウォン(約6030億円)を確保したが、実態は市場予想を下回る結果だったことが明らかになった。中国の景気減速に伴ってスマートフォン需要そのものが弱まっていることが響いた。鳴り物入りで発売した新型ギャラクシーの売れ行きは伸びず、中東市場などでも中国勢との激しい競合を強いられている。スマホ市場が飽和状態に陥る中、パナソニックなど早々と個人向け機種から手を引いた日本メーカーに続き、サムスンのスマホ撤退の可能性もささやかれている。

アナリスト予想下回る業績、構造変化の波

 サムスンが1月8日に発表した2015年10~12月決算(暫定値)は、営業利益が前年同期比15%増の6兆1000億ウォンの増益だった。

 しかし、その結果は市場を満足させる内容ではなかった。

 ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均に比べ、5400億ウォン低く、トムソン・ロイター・エスティメーツのアナリスト予想でも5千億ウォン少なかった。四半期ベースでみれば、15年7~9月期比17%減で、5四半期ぶりの営業減益だった。

 ロイター通信は、業績を支えてきたメモリーチップやディスプレーの販売が減少、利益全体を押し下げている可能性を指摘。半導体などの部品関連も低迷していることから、「スマホ業界は低成長局面に入った」(アナリスト)との意見を伝えた。

 かつては、スマホ普及の恩恵を受けて、2013年に228兆6900億ウォンの過去最大の売上高を記録したが、14年通期は206兆ウォン台に減少。15年は200兆3400億ウォンとさらに減ったもようだ。

 世界のスマホ市場を切り開いたサムスンはいま、大きな構造変化の波にさらされている。

中国シェア19・7%→7・2%、わずか2年で

 とりわけ、サムスンの苦戦が目立つのは中国市場だ。

 韓国左派系のハンギョレ紙(日本語電子版)は今年1月初旬、10年以上にわたるサムスン製スマホの愛好家だった北京のユーザーが、ギャラクシーより価格が半分で、機能的にも大差のないとの理由から、中国製スマホに乗り換えたケースを紹介。サムスンは中国でシェアトップに上り、世界を席巻していたが「すでに事情が変わった」と論じた。

 実際、市場調査機関に調べでは、サムスン製の携帯電話の中国シェア(数量ベース)は13年に19・7%あったが、2年後の15年には7・2%にまで低下した。

 中央日報(日本語電子版)によると、昨年10~12月期のサムスンの携帯電話端末の販売単価は、前期より40ドル下落して、平均180ドルとなった。安値競争が経営体力をむしばんでいる。

スマホ低空飛行なら、撤退も?

 サムスンの業績の展望を市場関係者はどうみているのか。

 ブルームバーグは、韓国在住のアナリストの厳しい見方を報じた。業績をカバーしてきた電子製品の需要の回復の兆候がみられないことから、「状況は悪化の一途をたどっており、16年1~3月(第1四半期)の利益は一段と落ち込む可能性が高いとみられる」と分析した。

 さらに米ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、サムスン製スマホが「欧州やアフリカ、中東市場で事業拡大を目指す中国ブランドの攻勢にあうだろう」(アナリスト)とし、戦線の広がりを予想した。

 スマホ事業の低空飛行が続けば、抜本的な改革のメスが必要になるかもしれない。

 米ネットメディアでは昨年秋ごろ「5年以内に携帯電話ビジネスから撤退する可能性がある」(クリエーティブ戦略アナリストのベン・バーリン氏)との見方も出るようになった。それほど、スマホ技術は汎用化が進み、利益が出にくい構造になっているのだ。同氏は、巨大企業が自社製品の「いいとこ取り」を後進メーカーにされて、不振に陥る「イノベーションのジレンマ」にサムスンがはまっていると分析する。苦境を脱する術はそう簡単にみつかりそうにない。

http://www.sankei.com/west/news/160125/wst1601250001-n1.html
http://www.sankei.com/west/news/160125/wst1601250001-n2.html
http://www.sankei.com/west/news/160125/wst1601250001-n3.html