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(イメージです。)


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:2016/01/17(日) 20:27:08.13 ID:
 株式バブルが崩壊してから、実体経済に反映され顕著化するまでに6カ月程度かかる。中国の株式バブル崩壊が明確化したのは昨年7月8日だった。それから約半年後が現在ということになる。

 経済にとって、お金とは血液であり金融市場や銀行は心臓だ。株式の暴落や金融不安は心筋梗塞のようなものであり、これが起きると血流が止まり末端から壊死してゆく。国家も企業も赤字だけでは破綻しない。その直接的破綻原因は資金ショートであり、黒字でも手元資金が足りなくなれば破綻する。今回のバブルの崩壊と金融不安はこれを決定づけるものだ。

 さて、中国の経済だが、共産主義による計画経済と自由主義による資本主義経済の良い所採りをしてきたものであり、経済理論からすれば最初から論理的には破綻している。共産主義であれば資産は全て国有であり、株式市場が成立するわけがない。資本主義であれば、計画経済は許されず、市場への国家による極端な介入は認められない。しかし、強引に矛盾を抱えた経済政策を行ってきたのが中国の実像であり、これが破綻しつつあるのが現在だ。

 中国は拡大した経済を武器に世界的影響力の拡大に邁進した。BRICs銀行やアジアインフラ投資銀行(AIIB)などがその典型であり、人民元の特別引き出し権(SDR)構成通貨入りもその結果だ。これには「中国が自由化を進め市場を開放し、ルールを守り大国としての責任を果たす」という大きな前提が存在した。成長余地が少ない先進国にとって、膨大な人口を抱える中国市場が自由化し開放されれば、自国産業の参入が容易になり利益につながるからだ。

 しかし、それは最初から幻想に過ぎなかったともいえる。何故ならば、自由化と開放を経済分野だけで行うことは困難であり、それは支配者である中国共産党とその幹部を否定することになる。

 世界一の格差と階級が存在する国、それこそが共産党が独裁する中国の現状であり実態だ。たとえ、民間企業であってもそれは共産党幹部や役人たちがオーナーであり、利益を独占している。たとえ、外資系企業であっても、ほとんどがそのような地元企業との合弁だ。自由化は、その基本構造を破壊するとともに、国家統制と一種の粉飾と汚職で成立している中国そのものの否定する。

 そして、今世界の投資家達は経済的政治的リスクが高まった中国からの離脱を進めている。だからこそ、人民元と株価が連動する形で暴落し、外貨準備が一気に失われている。これに対処するため、中国当局は株式に対する売り規制やドル買いに対する為替規制を強めているが、逆に投資家の不安と離脱を煽る結果になっている。

 自由に売ることができない株式市場など価値はなく、自由に売ることができない通貨には価値がない。これまで計画経済を是としてきた中国の当局には、この市場経済の本質を理解できないだろう。

(渡辺哲也)わたなべ・てつや 経済評論家 日大法卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。著書は「突き破る日本経済」など多数。45歳。愛知県出身。(記者注:おまけに黒い)
 
産経ニュース 2016.1.17 08:00
http://www.sankei.com/premium/news/160117/prm1601170008-n1.html