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:2014/03/22(土)11:37:36 ID:
日本総合研究所理事 足達英一郎
中国で包括的な土壌汚染対策がいよいよ始まる。環境保護部が「土壌汚染対策行動計画」の策定を進めており、今年中に発表される見通しと報じられた。(中略)

■農作物を通じ人体に悪影響

大気汚染、水質汚染と並び、中国の土壌汚染問題は深刻化している。中国科学院も1994~95年の調査と比較して、土壌汚染問題が悪化していることを認めた。東部沿岸の人口の多い地域でもカドミウム、鉛、水銀、ヒ素といった重金属による汚染が人間の健康を脅かす状況になっている。

(中略)13年初めに湖南省で収穫されたコメから基準を超えるカドミウムが検出された問題は、中国国内でも話題となった。既に、国連食糧農業機関(FAO)もこの問題に警鐘を鳴らしている。

国土資源部は中国全土で汚染により耕作に適さないと判断される農地面積を333万ヘクタールと推計。これは農地全体の2.5%に当たる。ただ最近の環境保護部の公表数値では、汚染された中国の耕地面積は約1000万ヘクタールで、耕地全体の8.3%に及ぶとの見方も出ている。対策行動計画の内容はまだつまびらかにされていないが、各国の経験から次のような事項が実効性を高めることにつながるだろう。

第一は、調査義務に関する明確な規定の必要性である。土壌汚染による健康被害を防止するには、土壌汚染地を的確に把握して、汚染の状況に応じた対策をとることが必須だ。ただし全ての土地の土壌を全数で調査することは物理的に困難である。工場閉鎖、地域開発、土地売買などの時期を定めて調査を義務化することが有効だろう。

■日本の技術やノウハウ生かせるか

第二は、把握された情報の開示である。中国政府はこれまで土壌汚染が具体的にどこに存在しているかを国家秘密として原則、公表しなかった。汚染が表沙汰になると不利益を被る関係者が多数存在するからだろう。しかし汚染拡大を防ぎ適切な汚染修復を実施するには、土壌汚染の存在を公知して社会全体で管理していくことが欠かせない。

第三は、土壌汚染調査・修復に関する基準の明確化とそれに携わる事業者の質の確保である。いいかげんな調査が横行したり、汚染土壌を別の場所に運搬して投棄するような行為が頻発したりするのでは、何ら問題の解決にはならない。対策行動計画の真価が問われるのはこの点にある。

そして、何よりこの対策行動計画が、中央政府の省庁ごとに、あるいは中央政府と地方政府の間でバラバラに行われてきた政策を整合性あるものにしていく効果を期待したい。
さらに、厳しい日中関係の続く中で、こうした中国の土壌汚染問題の解決に貢献しようという日本企業も存在する。例えば、エンバイオ・ホールディングスは12年に江蘇聖泰実田環境修復有限公司を南京に合弁で設立。既に化学工場跡地の土壌地下水汚染浄化中規模試験施工などを手がけている。中国における包括的な土壌汚染対策がスタートする中で、日本の技術やノウハウがどう生かされるかにも注目したい。

[日経産業新聞2014年3月20日付]
2014/3/22 7:00 日本経済新聞‎
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO68557650Z10C14A3XE1000/
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO68557650Z10C14A3XE1000/?df=2
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